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大阪万博パビリオン、自治会集会所として今も 神戸

「地域でパビリオンを守ってきた」と話す自治会長の田中収さん=神戸市北区広陵町
「地域でパビリオンを守ってきた」と話す自治会長の田中収さん=神戸市北区広陵町
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 1970(昭和45)年の大阪万博のパビリオンだった「カンボジア館」が神戸市の住宅街に移築され、現在も地元住民の集会所として利用されている。ほぼそのままの形で現存する70年万博のパビリオンは国内で2カ所しかなく、一般の人が気軽に見学できるのはこの集会所だけ。老朽化で解体の危機もあったが、建物に愛着を持つ住民の尽力で存続した。2025年大阪・関西万博の開催も決まり、地元関係者らは「かつての大阪万博の記憶をいつまでも残したい」と思いを新たにしている。

 カンボジア館は、クメール王朝の仏教寺院を模した三角形の大きな黄色い屋根が特徴。採光のための側面の窓など近代的な要素も取り入れた木造建築で、カンボジアの著名な建築家、ウク・ソメス氏が手がけた。

 地元自治会によると、建物は万博後、住宅会社が引き取り、神戸市北区広陵町に昭和46年に移築開設した。一帯は同市中心部などで勤務する人たちのベッドタウンとして山を切り開いた住宅地。当初は住宅も少なく殺風景だったこともあり、「パビリオンのある街」として売り出されたという。

 移築時に建物は2階建てが平屋に改装されたが、外観は万博当時のまま。アンコールワットにある石像のレプリカやパネルなどの展示品も引き継がれた。

 建物は平成4年、住宅会社から地元自治会に贈与。7年の阪神大震災でも大きな損傷はなかったが、近年はセメント屋根の塗装がはげたり床がきしんだりして老朽化が進み、28年に取り壊しの話が持ち上がった。

 しかし、パビリオンに愛着を持つ住民らの要望や、カンボジア大使館が「両国の友好のシンボル」として地元に存続を要請したこともあり、自治会の積立金などを充てて補修することが決定。特殊なセメントの屋根瓦を手がける業者はなかなか見つからなかったが、自治会関係者が苦労して探しだし、約2600万円をかけて補修を行った。

 大阪府日本万国博覧会記念公園事務所などによると、万博会場の主要な建築物で現在も残るのは、シンボルである「太陽の塔」(同府吹田市)のほか、パビリオンでは、カンボジア館、それに陸上自衛隊日本原駐屯地(岡山県奈義町)で広報室として使用されている「ミュンヘン市館」ぐらいだという。

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