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【変わる留学のカタチ】(中)少子高齢化の日本 グローバル人材育成急ぐ

州立ノーザンバージニア・コミュニティカレッジには多国籍の留学生が集う=3月27日、米バージニア州スプリングフィールド(猿渡友希撮影)
州立ノーザンバージニア・コミュニティカレッジには多国籍の留学生が集う=3月27日、米バージニア州スプリングフィールド(猿渡友希撮影)
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 「米国は教育水準が高いので留学を決めました。ベトナム人の友人が多いので心強いです」。米東部、バージニア州にある二年制の州立ノーザンバージニア・コミュニティーカレッジ(NOVA)のベトナム人留学生、ティエン・ファンさん(26)はこう話した。

 米国で学位を取れる四年制大学への編入が可能であるコミカレ。同校は全米で2番目に大きく、6つのキャンパスで約7万5000人が学ぶ。世界126カ国、約1200人の留学生のうち、ベトナム人が最多の約200人で韓国、中国、ネパールと続く。一方、日本人はわずか3人で、ファンさんは日本人を見かけたことがない。

 同校国際教育事務局の担当者は昨夏、米政府の留学事業「フルブライトプログラム」の一環で訪日し、日本人留学生を獲得しようと文部科学省などを回ったが、成果は得られなかった。同校では10年前には15人いた日本人の留学生。今では5分の1となり、他のアジア諸国に比べて日本の存在感はなくなった。

 ■経験者、世界の1%

 日本の学生は内向きで海外に出たがらない-。こう指摘されて久しい。

 経済協力開発機構(OECD)などの統計によると、日本の大学・大学院生約290万人のうち、海外の大学などへ留学する日本人は年間5万5千人前後で、留学経験者の割合は2%程度と非常に少ない。

 また、世界中では毎年500万人程度が海外の大学などに留学するが、この中で日本人はわずか1%程度にすぎない。日本の若者が世界に出向いていない実態が裏付けられている。

 こんな状況に政府は危機感を持つ。日本は少子高齢化に伴う人口減少時代に突入した。再び経済成長を遂げるためには、語学力やコミュニケーション能力、主体性を兼ね備える「グローバル人材」の育成が不可欠だからだ。

 危機感の表れのひとつが、平成26(2014)年度から官民協同で実施している海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」。企業計238社から計約117億円の寄付金を募り、大学生や高校生の留学を経済面などから支援し、令和2(2020)年までに1万人の留学生を送り出す計画だ。

 これまで5年間で送り出した留学生は約6500人。目標に達したとしても、世界に出る日本人の若者が少ない状況に変わりはない。担当者は「企業は世界の若者と渡り合えるような人材の不足に危機感を持っており、留学生の増加は急務」と話した。

 ■学校の指導不足も

 民間もグローバル人材の育成に力を入れており、ある通信教育大手はコミカレへの進学支援事業を強化している。

 担当者は「日本人の留学生が増えない背景には、海外志向の減退に加えて、学校側の指導不足に原因がある」と指摘する。高校の進路指導で海外への進学を提案できる先生がおらず、生徒が留学に関心があってもあきらめるケースも多いといい、「教育現場で留学への環境を整える必要がある」と強調する。(猿渡友希、写真も)

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