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大阪の唯一の村で「大人の棚田塾」千早赤阪村の賭け

 同保存会の石田三示(みつじ)理事長は「稲という『生産物』だけで棚田を維持するのは難しい。(棚田保全のため)都会の消費者に、『いかに魅力あるプログラム作り』をしていくことが重要だ」と指摘する。

歩き始めた後継者たち

 千早赤阪村の棚田塾において講師役を務める「下赤阪棚田の会」メンバーの中で村の「地域おこし協力隊」でもある上地(かみじ)正幸さん(51)は「棚田の後継者はおらず、対策は待ったなし。この中から『自分の手で棚田で米作りを』という人が現れてくれることを願う」と話す。

水をたたえた下赤阪の棚田。夕陽や周囲のアジサイ…すべての要素が「日本の原風景」を生み出す=大阪府千早赤阪村(同村提供)
水をたたえた下赤阪の棚田。夕陽や周囲のアジサイ…すべての要素が「日本の原風景」を生み出す=大阪府千早赤阪村(同村提供)
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 「大阪府南河内農と緑の総合事務所」(大阪府富田林市)や村などの企画で昨春に復活した棚田塾。村主催で開かれた平成25~27年度には約30人が受講した。上地さんは第1期の受講生で現在は村内で棚田を借り、米作りに励む。講師を務める村の農家の高齢化などから一度は終わったが、状況はさらに厳しくなっていた。

 同事務所によると、昨年1月末で下赤阪の棚田は畑を含む約2万4300平方メートル中、約6100平方メートルが遊休農地。持ち主の農家(約15戸)の平均年齢も70代と高齢化が進む。そうした危機を前に、1人でも多くの後継者を育てるため棚田塾が復活したわけだ。

 塾生の1人で会社員の別所邦宏さん(61)=大阪市平野区=は、容器作りなどプラスチック加工の仕事に就いており、農業とは無縁だった。「軽い気持ちの参加だったが、作業を進める中で『後継者がいない』という棚田の現状を知った」。今後について「将来は上地さんのように誰かの田を借りて、棚田を守ることができれば。だんだんと、そんな気持ちが湧いてきた」と語った。

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