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【夜間中学はいま】(3)壮絶な過去…再び動き出した人生

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神戸市立丸山中学校西野分校卒業生の戎香里菜さん=神戸市須磨区(安元雄太撮影)
神戸市立丸山中学校西野分校卒業生の戎香里菜さん=神戸市須磨区(安元雄太撮影)

 「学ぶことは生き延びること」。昨年7月、東京・衆院議員会館で開かれた夜間中学の開設を目指す研修交流会。神戸市立丸山中学校西野分校の卒業生でフィリピン人の戎(えびす)香里菜(かりな)さん(41)は国会議員らを前に話し始めた。手元の原稿には「学ぶことは生きること」と書いていたが、無意識のうちに「生き延びる」と口にしていた。戎さんの壮絶な半生がそうさせたのかもしれない。

■生き地獄

 フィリピンで教育とは無縁の家庭で育った。町でアイスキャンディーや野菜を売りながら小学校に通う日々は「食べること、生きることで精いっぱい」。両親の離婚後は親戚や他人の家をたらい回しにされ、働きながら通学したものの、経済的に追い込まれて断念した。「同級生たちが登校する姿を見るのはつらかった」と唇をかみしめる。

 預け先の親戚から性的虐待を受け、犯罪組織に監禁されたこともある。「希望のない、生き地獄のような人生。何度も死のうと思いました」。まっすぐに見つめる瞳から涙がとめどなく流れる。

 人生を変えたい-。そんな思いで日本の工場で働く話に乗り、平成13年に来日。だが実際は無給でラウンジで働かされた。客から「人気がなくなれば売春をさせられる」と聞き、決死の覚悟で逃げた。淡路島(兵庫県)に住むフィリピン人の知人を頼り、そこで出会った日本人の男性と14年に結婚した。

 「人生を取り戻したいと思っていました。虐待を受けている子供や女性の力になりたい、守る人になりたい。そのために学校へ行きたい、学びたい、と心の奥でずっと叫んでいました」

 人生の夢の扉を開いてくれたのが夜間中学だった。

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