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「はるかのひまわり」復刊 神戸の出版社、陛下の御製に詠まれ再注目

長女の良ちゃんとともに「はるかのひまわり」を持つ著者の菊地いつかさん=兵庫県明石市
長女の良ちゃんとともに「はるかのひまわり」を持つ著者の菊地いつかさん=兵庫県明石市

 平成7年の阪神大震災で妹を亡くした菊地いつかさん(39)=旧姓・加藤=の著書「はるかのひまわり」が今月、神戸市の出版社から復刊された。16年に出版された後に絶版していたが、今年1月の歌会始の儀で天皇陛下の御製(ぎょせい、和歌)に詠まれ、注目されていた。菊地さんは「震災を知らない人に読んでほしい」と話している。(土屋宏剛)

 菊地さんは中学3年で被災し、小学6年だった妹の加藤はるかさんを失った。震災後、自宅跡に咲いたヒマワリが震災復興のシンボルとなって広まった一方、はるかさんを亡くした影響で家族関係は崩壊。菊地さんも心的外傷後ストレス障害(PTSD)から自傷行為を繰り返すなど苦しい時期を過ごした。

 著書は現在、NPO法人「阪神淡路大震災1・17希望の灯(あか)り(HANDS)」理事で震災の語り部となった菊地さんが、苦悩を乗り越え、再び前向きに人生を歩むまでの体験や思いがつづられている。初版本は平成16年11月に東京の出版社から発刊されたが、その後会社が廃業したため絶版していた。

 しかし、震災24年となる今年1月17日、HANDS前代表で俳優、堀内正美さん(69)が、神戸空港で偶然出会った神戸市の出版社「苦楽堂」代表、石井伸介さん(55)に復刊を依頼。石井さんも「平成の間は災害で大切な人を失った人が多かった。本が人生を見つめ直すきっかけになれば」と快諾した。

 今年の歌会始の儀で披露された天皇陛下の御製は、御所で成長する「はるかのひまわり」を取り上げられ、「贈られしひまはりの種は生え揃ひ葉を広げゆく初夏の光に」と詠まれた。菊地さんは復刊に際し、陛下への感謝の思いを述べた「まえがき」と、23年に亡くなった母への思いを振り返る「あとがき」を追加した。

 昨年9月に第1子となる長女、良(りょう)ちゃんが誕生したばかりの菊地さんは、復刊について「本に書いたことを子供に伝えたい。子供が望めばNPOの活動も一緒にしたい」と話している。

 四六判176ページ。表紙に神戸市出身のイラストレーター、有村綾さんが「人のぬくもりを表現した」という大輪のヒマワリも並ぶ。税抜き1500円。全国の主要書店で購入可能。問い合わせは苦楽堂(078・392・2535)。

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