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【夜間中学はいま】(1)小2で不登校、手こずる「九九」にも学び直す喜び

 だが、年齢も国籍も異なる生徒たちは抱える背景も多様で複雑で、大永さんのまったく知らない世界を生きてきていた。戦争で家族を失い中国人の養父母に育てられた残留孤児、壮絶な差別を体験した在日韓国人、親の仕事や結婚などで来日した外国人…。涙を流してそれぞれの人生を語ってくれた。「夜間中学では数学や英語や社会など昼の中学校と同じように教科の勉強をしますが、仲間の人生に触れることで『生きること』についても学んでいると思うんです」

 嫌いだった学校が好きになり、つまらなかった勉強が楽しくなり、自分に自信がなくて一歩引いていた大永さんが熱心に人と関わるようになった。「学びたいという気持ちがあれば、人生はいつでもやり直しができる。20代でも、80代でも。琴城分校で私の第二の人生が始まりました」

 今、夜間中学生だと胸を張って言える。いずれ高校にも進学したい。「私のように夜間中学を必要としている人は大勢いると思う。一人でも多くの人に夜間中学に出会ってほしい」。心からそう願っている。

◇   ◇

期待される「学び直し」

 文部科学省(文科省)の平成29年度の調査によると、年間30日以上欠席する不登校の小中学生は14万4031人にのぼり、過去最多を更新。うち約6割が90日以上欠席している。

 不登校などで十分な教育を受けないまま中学校を卒業した「形式卒業者」の夜間中学入学は以前は認められていなかった。しかし、増加が続く状況などを受け、文科省は方針を転換。27年7月に形式卒業者の入学を認める通知を出し、28年12月には法的な支えとなる教育機会確保法が成立した。

 夜間中学には「学び直し」の場としての役割が期待され、文科省によると、29年7月1日現在、全国の夜間中学で計73人の形式卒業者が学んでいる。

 「夜間中学」に関する体験談やご意見、ご感想を募集します。

 住所、氏名、年齢、電話番号を明記していただき、郵送の場合は〒556-8661(住所不要)産経新聞大阪社会部「夜間中学取材班」、FAXは06・6633・9740、メールはyachu@sankei.co.jpまでお送り下さい。

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