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【夜間中学はいま】(1)小2で不登校、手こずる「九九」にも学び直す喜び

 学校や勉強と縁遠いまま大人になった大永さんが、夜間中学入学を決意したのは、現在小1の長男が3歳のときに発達障害のひとつ、自閉症スペクトラムと診断されたことが関わっている。「本を読んで必死に勉強しようとしました。でも、わからない漢字が多くて…」。尼崎市内で一番上の姉と一緒に障害児の通所施設を運営しているが、役所に提出する書類の作成にも苦労した。たとえば何度も記入した「発達障害」の文字。「『達』を『●(=にてんしんにゅう)(しんにょう)』から書いていたので、ものすごくバランスが悪かった。夜間中学で書き順を学び、格好良く書けたときはうれしかったです」

 子供たちが暮らしやすい地域、社会にしたい。そのために学び直しを-。切実な思いが、何年も前に駅前で見た夜間中学のポスターの記憶を掘り起こした。

「よう来たなあ」

 かつて居場所がなかった学校になじめるのか。不安と緊張の中、大永さんは再び校門をくぐった。琴城分校が初めて受け入れる不登校経験者だったが、学びたいという気持ちが本物だと伝わると、他の生徒たちとの距離は一気に縮まった。仕事が忙しく遅刻して行っても「頑張って、よう来たなあ」と迎えてくれる。1時限だけでも授業を受けられれば学校に自転車を走らせるのは、そのひと言があるからだ。

 2年目の今年度は生徒会長を引き受け、学校外での行事や集会などでも積極的に表舞台に立つが、当初は夜間中学に通っていることを周囲に隠していた。「学校に行っていない過去を話すのが恥ずかしくて、言えませんでした」

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