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「災害時要配慮者」名簿作成は9割超も…課題山積

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 2人は1歳で脳性まひと診断された。1人では座ることも歩くこともできず、自宅ではベッドで寝たきりの状態だ。夫が単身赴任のため、普段は裕子さんが車いすからベッドまでの移動を1人で担っている。

 昨年、裕子さんが腰を痛めたことから電動リフトを導入。負担は減ったが、災害時はどうなるのかという思いは常に抱えている。

 「リフトの電源が確保できないと、1人では車いすに乗せられない」

 道路状況などで車が使えないと、家から避難所まで1人で車いす2台を押しながら3人分の荷物を持つことになる。避難所に到着できても、介助が必要な2人と避難生活を送ることに不安が募る。

 長岡京市は災害対策基本法に基づき要配慮者の名簿を作成しているが、名簿登録の条件として提示されているのが、避難を支援してくれる支援者の明記だ。災害時は地域の共助が前提という考え方から、市は「遠くに住む親戚ではなく、できるだけ近くに住んでいる人を選んでほしい」としている。

 晴日さんと晴太さんは、裕子さんが支援者を指定していないため名簿に登録されていない。

 「災害時にはみんな自分のことで手いっぱいだろうし、ましてや近所の人には支援者になってほしいと頼みづらい」と裕子さん。「横のつながりをつくるのが難しい人もいる。行政には普段から地域に入ってきて、要配慮者とその家族の実情を知ってほしい」と要望する。

 大規模災害時は行政機関も被災する可能性があり、個人のニーズに応じたきめ細かな公的支援は期待できない。要配慮者の避難に詳しい関西大社会安全学部の山崎栄一教授(災害法制)は「普段から高校生や元気な高齢者など支援の担い手を増やし、共助のための地域コミュニティーの醸成が重要。地域へ家族のプライバシーを提供することに抵抗を感じる人にも丁寧な説明が必要だ」と指摘している。(小川恵理子)

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