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「災害時要配慮者」名簿作成は9割超も…課題山積

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 大規模災害が発生した際、避難に支援が必要な障害者や高齢者らは「災害時要配慮者」とされ、東日本大震災の教訓を踏まえ平成25年に改正された災害対策基本法では、各自治体に要配慮者の名簿作成が義務づけられた。現在、名簿は全国の9割超の自治体で作成されているが、このうち具体的にどう支援していくかなどを示す避難計画を策定している自治体は約半数にとどまる。東日本大震災から11日で8年。南海トラフ巨大地震など新たな大災害発生の危険性が指摘されている中、対応は急務だ。

 総務省消防庁によると、30年6月1日現在、全国1739市町村の97%にあたる1687市町村が、すでに要配慮者の名簿を作成している。

 しかし、このうち704市町村は、津波や大雨などが発生した際、実際に要配慮者を支援してくれる避難支援者や具体的な避難経路などをまとめた避難計画を策定していない。名簿と異なり、避難計画の策定までは災害対策基本法に義務づけられていないためだ。同庁は「まずは名簿の作成を急いでいる」と説明する。

 同庁などによると、支援者には個人のほか地域の民生委員、消防団などが想定されている。ただ、命を守るという責任の重さから敬遠されがちで、要配慮者の家族も「他人に迷惑をかけることはしたくない」「家族内で助け合える」と周りに支援を求めない傾向がある。プライバシーの観点から名簿が支援者へ提供されることに抵抗を感じる人もいるという。

 23年の東日本大震災では、避難に必要な情報や、必要な避難支援を要配慮者が受けられなかったりしたケースが多かった。

 日本障害フォーラム宮城の調査などによると、震災の犠牲者のうち約6割が65歳以上。障害者の死亡率は全体の死亡率の約2倍に上った。

脳性まひの双子抱え…避難どうすれば

 「災害時要配慮者」の中には、家族の情報を他人に知られることに抵抗を感じ、地域から支援されることをためらう当事者もいる。

 「おかえり。学校どうやった?」

 京都府長岡京市の住宅街。1軒の民家前に止まった福祉車両から、2台の車いすが下ろされた。市内の特別支援学校高等部に通う双子の上田晴日(はるひ)さんと晴太(せいた)さん=いずれも(16)。母親の裕子(ゆうこ)さん(52)が声をかけると笑みが広がる。

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