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歌手、布施明さんが公演「平成からの手紙」を伝えたい

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「プレミアムシート」布施明 歌手の布施明さん=8日午後、大阪市北区のキョードー大阪(南雲都撮影)
「プレミアムシート」布施明 歌手の布施明さん=8日午後、大阪市北区のキョードー大阪(南雲都撮影)

 平成27年にデビュー50周年という大きな節目を迎え、より精力的に音楽活動を続ける歌謡界の重鎮。昨年5月にオリジナル新作アルバム「WALK(ウオーク)」を発売した。

 力強く、深く、朗々(ろうろう)とした歌唱は、71歳の歌手が歌っているとは思えないほどだ。

 「基本、何もしていないですよ。日々の発声練習とか、筋トレとか。自宅の周辺を散歩するくらいかな。30年以上前ですが、米国で芸能活動していた際に受けた複数のボイストレーニングのおかげかも…」。余裕の笑みを見せる。

 代表曲「シクラメンのかほり」(昭和50年)や「君は薔薇(ばら)より美しい」(54年)でも聴かれる伸びやかなハイトーンボイス。ハードロックやヘヴィメタルのバンドのボーカリストも務まる日本人離れした歌声が、この最新作では磨きがかかっている。

 本人にとって、久しぶりとなる全曲オリジナルの新作。作詞家の売野雅勇(まさお)や松井五郎、作曲家の船山基紀ら、日本の歌謡界を支えた“名作家”たちと組み、渾身(こんしん)の一作に仕上げた。

 「複数の音楽プロデューサーらを介し、多くの作家に楽曲作りをお願いしました。そうしてできた約160曲をまず30曲に絞り込み、最終的に12曲になりました。完成までに1年半もかかりましたよ」

 それだけに「シクラメンのかほり」を思わせる悲しげな「ひまわり」や、松井が作詞を手がけた劇的なタイトル曲など、聴き応えのある楽曲揃い。ボーナス曲であるジャズ風にアレンジされた「君は薔薇より美しい」は名曲に新たな魅力を付与している。

 「満足すれば、そこで終わり」と言い切る。「これまで、ずっとそう。録音作業の時は『これでいい!』と思うんだけど、自宅への帰路、車の中で聴き直すと『やっぱりダメだ』と…。その繰り返しで今があるんです」

 最新作でも「あえてどの楽曲かは言いませんが、2小節だけ、今でも満足できないんです。次の作品では、この2小節を克服しますよ」と力を込めた。

 この新作を引っさげ、4月14日、フェスティバルホール(大阪市北区)で公演を行う。平成最後のステージ。平成という時代について、「音楽で言えば、昭和には、ロックのような海外の音楽への憧れを反映した“昭和歌謡”という確固としたジャンルがありましたが、平成になると平成歌謡っていうジャンルはないですよね。代わりに、アニメなどサブカルチャーと絡んだ音楽が海外で評価されるという新たな動きが出てきた。日本の大衆音楽が大きく変わった」と分析する。

 今回の大阪での公演は、昨秋から続く全国ツアーの千秋楽。「平成最後のステージでもありますから、僕が平成という時代をどんな風に歌ってきたかを皆さんにお伝えしたいですね。僕から皆さんに宛てた“平成からの手紙”です」

 新作のタイトル曲のように、歌うということを極めるため、これからも“歩み”を止めることはない。

文・岡田敏一

写真・南雲都

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