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「絶対に復旧させる」 電話、ネット通信をめぐる関空連絡橋55時間のドラマ

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連絡橋の内部で通信回線の敷設を急ぐ作業員ら。使命感が早期復旧を実現させた=昨年9月6日(NTT西日本提供)
連絡橋の内部で通信回線の敷設を急ぐ作業員ら。使命感が早期復旧を実現させた=昨年9月6日(NTT西日本提供)

 昨年9月、台風21号の影響で連絡橋にタンカー衝突が衝突し、機能を失った関西国際空港。道路、鉄道といったアクセス機能とともに懸命な復旧作業が続けられたのが「電話、インターネット通信」だ。橋桁が最大で約4メートルもずれた衝撃で、NTT西日本の通信ケーブルは切断された。不通になった約790回線を復活させるため、集められた30人の奮闘が始まった。(黒川信雄)

 タンカーは衝突したまま波に揺られ、ガス漏れへの警戒から電気がつけられない暗闇の中、橋とこすれ合う不気味な音が聞こえる。網状の足場の下は海。工具を落とせば回収できない。

 9月4日午後1時45分ごろにケーブル切断を把握した同社が状況確認のため、担当者らを現場に送り込んだのは台風が過ぎた同日夜。同社の協力会社、ミライト・テクノロジーズ(大阪市西区)の梅垣雅さんは過酷な状況に「いつ復旧できるか、めどもつかないと感じた」と振り返る。

 5日午前、NTT西で対策会議が開かれ、30人の復旧作業担当チームが結成された。切断箇所をつなぎ合わせるため、1・2キロに及ぶ通信ケーブルを緊急に手配。6日早朝、チームは10トントラックにケーブル、機材を乗せて現場に入った。

 ケーブルは、連絡橋の破損部分で傷がつかないよう、ところどころ迂回させながら通していく。時間短縮のため、ケーブルをのばしていく作業と敷設する作業を同時に進めた。

 作業中、7日に国内線が再開されるという情報が入った。チームの班長として現場を指揮したミライトの生駒健一さんは「国内線再開前に絶対復旧させるという意地しかなかった」。陸地に戻って休憩する時間を惜しみ、食事の調達もあきらめて作業を続けた。

 6日夜、完了。NTT西は通信サービスが回復した時刻を同日午後9時7分ごろと発表。不通を把握してから、わずか55時間。ミライトの中部(なかべ)昌幸・大阪技術センタ長は「自宅が被災していた作業員もいた。ただ感謝しかない」と話す。

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