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【夕焼けエッセー】白寿の約束

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 富美子(とみこ)さん、愛しい貴女(あなた)が北海道の高齢者保養住宅に入居されて2カ月半が過ぎました。以来私は寂しい毎日を送っています。

 貴女と私のなれそめは平成17年5月、四日市市の温泉ユラックスで、たまたま隣り合わせの席となり、言葉を交わし、話に共感と心温まるものを感じました。合縁奇縁といいますか、住むところは離れていても、毎月どこかで逢瀬を重ねているうちに2泊3日の旅になり、離れることができなくなりました。

 毎年独立行政法人の健康増進ホームなどに10日間の長期滞在もするようになりました。

 北海道白老(しらおい)1回、湯河原・湯布院・玉造の各ホームは3回も保養に行きました。また彼方此方(あちこち)の温泉にツアーで行ったことなど思い出し懐かしんでいます。

 あなたは妹さんの求めに応じて名古屋に移り住みましたが、今回は高齢化を案じた親族の呼び戻しに抗し切れず故郷に帰られました、貴女が去った後、私の心に大きな空洞ができ、貴女を思い出しては涙しています、寂しいのです。

 でも私は貴女と約束をしました、今年の4月には、私のおいっ子が持つ三朝の別宅に1カ月くらい逗留(とうりゅう)し、その続きに空路貴女のホームに行くことです。白寿の約束です。

 私は今そのことを思い出して心を温めています。

 私は99歳、貴女はまだ若いといっても八十路(やそじ)に差し掛かったところです、お互いに余生を素晴らしいものに致しましょう。貴女への思いが断ち切れず手紙を書きました、お許しください。

山本榮策(99) 滋賀県草津市

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