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【夕焼けエッセー】弁当

 私は普段帰りが遅く、最近は夕飯を家で食べられていない。帰るころには小さい娘たちはもう寝てしまっているし、妻も早くに寝てしまうので、私が家族の様子を知るのは翌日の弁当なのである。妻の弁当は決して手抜きではないが、ほぼ、前日の夕飯の残りであるからだ。しかしときどき例外もある。

 にんじんがハート、卵焼きもハート、ハート祭りのやけにかわいい弁当のときは、娘が遠足の日である。誰にも見られないようにこっそり食べる。

 夫婦げんかをした翌日は、朝はしゃべってくれなかったが、弁当を作ってくれたのでもう怒っていないと思ったが、スープジャーには私の大嫌いなアサリのみそ汁が入っていた。こういう意地悪はやめてほしい。そんな抗議をみそ汁と一緒に飲み込んだ。

 妻を悲しませた翌日は、弁当のフタを開けたら一面がブロッコリーだった。ブロッコリーしか入っていなかった。マヨネーズもなし。

 職場の人に見られたが、笑いもせずひと言、「作ってもらえただけでもありがたいと思えよ」と言われた。その通りだと思った。きれいに平らげた。

 今日は糸こんにゃくが異常に多い肉じゃがに、ピリ辛こんにゃくか。妻はまたダイエットを始めたようだ。

中島邦彦(41) 会社員 大阪市住吉区

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