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【プロの仕事】正しい自然保護意識を教えることが大切

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プロフェッショナル 八尾市立大畑山青少年野外活動センター(アクトランドYAO)の宮嶋啓太副所長=11日、大阪府八尾市(前川純一郎撮影)
プロフェッショナル 八尾市立大畑山青少年野外活動センター(アクトランドYAO)の宮嶋啓太副所長=11日、大阪府八尾市(前川純一郎撮影)

 「時々、野ウサギやウリ坊(イノシシの子供)もやってきますよ」

 アウトドアインストラクターの宮嶋啓太さん(37)が話していると、いきなり山道の向こうから野生のイノシシ2頭が姿を現した。住宅街にほど近い高安山の麓(ふもと)に位置する野外活動施設「アクトランドYAO」(大阪府八尾市)で働いてもう10年になる。キャンプ宿泊やバーベキューなどの体験を通じて、子供たちに自然の大切さを教えている。

 「ゼロから何かを生みだすことが好き」と話し、勤務1年目から北欧が発祥とされる自然体験活動を主軸とした幼少教育「森のようちえん」を導入した。屋外での流しそうめんやピザづくりなどのプログラムを通じて、子供たちにチームワークや命の大切さを伝え、翌年には小学生対象の「森のがっこう」も手がけるようになった。現在は全4クラスをプロデュースしている。

 「『虫を捕まえたらダメ』『草花をちぎったらダメ』と言われると、子供たちは間違った自然保護意識を持ってしまいます。その意味を教えることが大切」と指摘し、手入れが必要な山や森があることを伝えるために、「くぬぎじいさん」というキャラクターを自ら考案。ストーリー仕立ての解説に、子供たちが興味深く聞き入る姿に手応えを感じている。

 子供の頃は、近所の川や公園で魚捕りや虫捕りに夢中になっていた。高校卒業後に将来の進路を模索していたときに、昔遊んだ川を見かけて、変わり果てた姿にショックを受けたという。

 生き物の生息環境を再生する「ビオトープ管理士」を目指して、「大阪コミュニケーションアート専門学校」(現・大阪ECO動物海洋専門学校、大阪市西区)の野生動物保護専攻に入学。2年間で、自然環境や野生動物の保護、野外活動について学んだ。夏休みには、子供向けのキャンプにボランティアとして参加。短期間で成長する子供たちの姿に感動し、自然体験教育に興味を抱くようになった。

 現在では、施設でのプロデュース業のほかに、母校の専門学校の講師も務めている。放置竹林が全国的な問題になっていることから、里山の保全活動の実践学習を兼ねて学生らとともに施設内の竹林の整備を10年にわたって続けている。学生らのアイデアを取り入れて、伐採した竹でジャングルジムやブランコなどの遊具をつくり、子供たちの遊び場が誕生した。

 「竹は放っておくとどんどんエリアを拡大し、他の植物を枯らしてしまう。だから、適正な管理が必要です。遊びながら子供たちが自然環境に興味を持ってくれたら」と意気込む。

 施設の課題として、利用者の少ない平日の活用方法についても「基地を作ったり、たき火をしたりできる放課後の子供の遊び場に利用できないか」とアイデアを巡らし、行政などと連携しながら動き始めた。充実した日々の中で、仕事に対する意欲は高まるばかりだ。(北村博子)

 アウトドアインストラクターになるには 国家資格は必要ないが、専門学校などで、キャンプインストラクターやビオトープ管理士、プロジェクト・ワイルドなどの資格を取得しておくと、就職で有利になるという。

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