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大規模災害 命を救え 技能指導官に38歳警部補 大阪府警

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 全国的に地震や水害などの自然災害が相次ぐなか、災害救助のノウハウを後輩の警察官に伝える技能指導官が大阪府警に初めて誕生した。警備部第1機動隊の北村仁(ひとし)警部補(38)。府警は優秀な技術を持つ警察官を技能指導官として任命する制度を導入していたが、経験年数の基準が壁となり、これまで災害救助の分野での指定はなかった。

 「救助器具を設置する場合は、被災者の頭はどこにあるか、救助活動中にぶつけることがないよう細心の注意が必要」

 昨年11月下旬、堺市の訓練施設で、北村さんは拡声器を手に、ほかの隊員に救助器具の構造や使用の注意点を細かく伝えていた。

 北村さんは平成15年に巡査を拝命。警備畑を歩み、27年4月から大規模災害の現場に出動する「広域緊急援助隊特別救助班」の班長となり、熊本地震(28年)や九州北部豪雨(29年)、昨年7月の西日本豪雨に出動し、現場指揮した。

 災害現場では迅速な判断が迫られる。地図などの資料に加え、住民らへの聞き取りで災害前の地形や住宅の位置を把握し、土砂や水の流れを推測しながら捜索する場所を決める。

 北村さんはロープレスキューや応急救護など災害救助に関連する14種の資格や講習の修了証を取得しているほか、建築学や地質学にも取り組んでいる。

 「現場で迷いが生じれば、その姿を見た被災者を不安にさせてしまう。詳細な知識を身につけなければ、迅速で的確な判断はできない」と話す。

 人材育成のため各都道府県警でも導入されている技能指導官制度。府警では7年の導入後、捜査などの分野で毎年20人前後が指定されているが、災害救助に関しては「原則として45歳以上で、専門的技術に係る実務経験が通算して15年以上」とする基準がハードルとなっていた。

 機動隊は厳しい環境の中で任務を続ける体力も必要。3~5年で刑事や交通など別の所属に異動することも多く、災害救助の技能指導官は全国的にも限られている。

 北村さんも昨年8月の選考時点で「年齢38歳・実務経験11年」だった。ただ自然災害の多発を受けて「原則にとらわれず、技能指導官の指定が必要」(府警幹部)と判断。内部選考を経て、同年10月に指定された。

 北村さんは災害に同じ現場はなく、常に変化する「生き物」と考えている。技能指導官となった今も「救助器具も災害救助に関する情報も日々変化している。常に勉強し、訓練を重ねる必要がある」と話している。

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