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大阪の実業家が残したランの版画集が人気

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 大正から昭和にかけての日本の園芸技術の高さを世界に知らしめた「蘭花譜(らんかふ)」という版画集が大阪市鶴見区の咲くやこの花館で展示されている。手がけたのは大阪出身の実業家で、洋ラン研究の第一人者とされる加賀正太郎氏(1888~1954年)。氏が洋ランと初めて出合ったロンドンでも「蘭花譜展」が開かれており、同館では「ランを通じた日英交流だ」としている。

 英国キュー王立植物園で洋ランと出合い、感銘を受けた加賀氏は大正6年頃に、京都府大山崎町に温室を建築。当時入手困難な人工交配種など1140種、約1万株を輸入し栽培した。その30年にわたる研究成果が失われぬよう、コレクションの中から104点を選んで10年がかりでまとめたのが「蘭花譜」だ。

 木版画83点、カラー図版14点、モノクロ写真図版7点で構成。石川県出身の画家、池田瑞月氏が下絵を描き、京都の寺町通りにある手摺(てす)り木版本を出版する「芸艸(うんそう)堂」から昭和21年に刊行された。

 浮世絵の技法を取り入れたこれらの作品は色彩豊かで美術的価値はもちろん、学名、交配、種の入手、種まき、初花のデータが記されており学術的にも優れ、美術業界や園芸業界では評価が高いが、一般にはあまり知られていない。

 英国キュー王立植物園での企画を知り「加賀氏の地元、大阪でも何かしたい」と同館の久山敦館長が知人から貴重な蘭花譜を借り受けて展示を始めた。「中には200回も色を塗り重ねている作品もあり、写真より精密かもしれません」と話す。

 15作品を3週ごとに入れ替えながら4月4日まで展示(ただし1月29日~2月12日、2月22~25日、3月1~15日は除く)、月曜休館。入館料500円(中学生以下無料)。問い合わせは同館(06・6912・0055)。

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