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【書評】『前立腺歌日記』四元康祐著

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 ドイツ在住の男性詩人が、前立腺がんの告知から治療、日常生活に戻るまでの闘病生活を小説仕立てで振り返った作品。第2章のタイトル「尿道カテーテルをつけたまま詩が書けるか?」から窺(うかが)えるように、闘病記でありつつ独特のユーモアがちりばめられている。

 本書は「私小説」でありつつ、筆者の手掛けた詩や、古今東西の詩・俳句が織り込まれた「詩小説」でもある。排尿の悩みや性生活の心配などいわゆる「下(しも)」の話題も、ダンテの叙事詩「神曲」や松尾芭蕉の俳諧紀行「奥の細道」などを通じて詩情豊かに描いており、不思議な読書体験が得られる。(講談社・1850円+税)

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