仮想通貨、相次ぐ流出で低調に 中高生には「ゲーム感覚」で浸透
昨年1月には、仮想通貨交換業者「コインチェック」(東京)でも、約580億円分が流出。金融庁も業務改善命令や業務停止命令を出すなど、監督強化に乗り出している。
投機集中し乱高下
平成29年は「仮想通貨元年」と呼ばれた。価値が急騰し、億単位の資産を稼いだ「億り人」とよばれる投資家も登場した。
投機が集中し、代表的な仮想通貨「ビットコイン」は同年12月、1ビットコインが約230万円にまで高騰。だが、相次ぐ事件で信頼は低下し、現在は約40万円(19日現在)にまで下落している。
乱高下を繰り返す現状に、普及は遠のいている。仮想通貨で100万円近くの損失を出したという大阪市の男性会社員(28)は、「こんなに乱高下するなんて、投機対象としても危ないと感じた。恐ろしくて通貨としては成り立たないのでは」と話した。
コミュニケーションツールに
投機のイメージが強い仮想通貨だが、中高生の間ではコミュニケーションの手段にもなっている。
「●●さんへ ▲▲さんから1zny(ビットゼニー)のお届け物です!」
昨年11月下旬、大阪市内の中学2年の男子生徒(14)は、短文投稿サイト「ツイッター」で、知人に、1znyの「投げ銭(チップ)」をした。投げ銭は「ありがとう」「お疲れさま」などの意で、男子生徒は「他のSNSの『いいね』みたいなもの」と話す。