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【虎番疾風録第2章】(10)阪神の岡崎でございます!

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船田事務所の前で「阪神の岡崎でございいます」と呼びかけた阪神の岡崎球団代表
船田事務所の前で「阪神の岡崎でございいます」と呼びかけた阪神の岡崎球団代表

 やはり巨人は黙っていなかった。11月22日、ドラフト会議真っ最中の午後3時過ぎ、東京・大手町の読売新聞本社で、会議の「無効」を訴えた。

 「巨人が1名も参加していないのだから、会議自体が無効であり、当然、そこで選択された交渉権も無効である」。勝手にボイコットしておいて、なんという傲慢さ。さらに、「この提訴に対する相手側の返事次第では、さらなる方法を考えております」。それはまさしく、「機構脱退」「新リーグ設立」をにおわせた恫(どう)喝(かつ)だった。

 心ならずも「江川くじ」を引き当ててしまった阪神の岡崎球団代表は、後年、このときの心境をこう語った。

 「つらかった。ワシにとって初めての抽選で『当たるな』と念じてくじを引いたんやから。封筒の中を見たとき思わず『しもたぁ!』と叫んだ。隣の代表が笑ろとったよ」。いや、本当につらかったのはその後だったろう。会議の終了後、岡崎代表は担当の田丸スカウトを連れ、東京・平河町の船田事務所を訪ねた。ドアをノックする。人の気配はするものの返事はない。田丸スカウトが声をあげた。

 「ただいま、代表とともに挨拶にやってまいりました」

 部屋から声が返ってきた。

 「電話で申し上げた通り、江川君はすでに巨人の人間。お話しすることはありません」

 すると、今度は岡崎代表が

 「阪神タイガースの岡崎でございます。お宅はどちらさんですか?」

 思いも寄らぬ関西弁の問いかけに、一緒に事務所前で前のめりになっていた虎番の報道陣連中も思わず「プッ」と噴き出したという。

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