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【石野伸子の読み直し浪花女】複眼のコスモポリタン陳舜臣(4)台湾で放映「怒りの菩薩」複雑な政治…半世紀前に歴史ミステリー調で提起

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 ミステリーそのものも時代とともに変質していく、と陳舜臣は訴えている。社会派ミステリーは松本清張の登場で昭和30年代に大きな流れを生んだ。それは同時に、謎が解けていく知的な驚きを伴う情報化社会の到来と密接な関係があったが、そんな状況は長続きしない。昭和47年に書いた文章「変りつつある推理小説」でこう述べている。

 「これからの推理小説は、これ以上は譲れないという核のまわりに、どれほどゆたかな新しい肉をつけるか、という課題に取り組まねばならないだろう。登場人物の分泌するものを、受け容れるスペースを残しておくべき」

 登場人物の分泌するもの、とはつまり生きた人間の醸し出すもの。人物をいかに魅力的に描けるか。陳舜臣は歴史の人間ドラマに力をそそぎ始める。   =(5)に続く

     ◇

【プロフィル】石野伸子 産経新聞特別記者兼編集委員。生活面記者として長らく大阪の衣食住を取材。生活実感にもとづき自分の足と感性で発見したホンネコラムをつづるのを信条としている。

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