PR

産経WEST 産経WEST

震災24年 母の死乗り越え乳がん医に

 高校卒業後、1浪して愛媛大医学部に入学。1人になると余計に母がいない寂しさを感じ、気分がひどく沈むこともあった。大学では、当時はまだ診療態勢が整っていなかった乳腺外科を志し、19年から国内初の専門センターが設置されたばかりの聖路加国際病院(東京都中央区)で勤務を始めた。

 病院では診断から手術の執刀、心のケア、場合によっては最期のみとりまで行う。勤務後しばらくして、同年代の女性患者を担当した。女性は末期の乳がんに侵され、すでに死を覚悟していた。「正直かける言葉はない。医者と患者ではなく、一人の人間として寄り添うことを大切にするしかなかった」。女性の両親からは子供の頃の思い出話を聞き、女性が胸の内を漏らすと一緒に涙を流した。

 出会いから約2年後、女性は病室で家族に見守られながらこの世を去った。女性の両親は立ち会った尹さんの手を握り、「一緒に応援してくれてありがとう」と声をかけてくれた。「全てに向き合った上でお別れをする。その時間がなければ、死を受け止めることはできない」。突然母を失った自身の経験に照らし、患者が闘病期間をどう生きるかを第一に考えている。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ