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【阪神大震災24年】ダウン症書家、2つの被災地を作品でつなぐ

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阪神大震災から24年を前に、被災地に思いを寄せた書をしたためる隅野由子さん=神戸市西区
阪神大震災から24年を前に、被災地に思いを寄せた書をしたためる隅野由子さん=神戸市西区

 「今日もきっといいことがある」。神戸市西区のダウン症の書家、隅野由子(すみのゆうこ)さん(33)がしたためた書だ。温かみのある文字と前向きなメッセージが阪神、東日本両震災の被災者の心を癒やし、勇気付けてきた。宮城県名取市の仮設住宅の住民らと交流を続けており、16日に神戸で再会する。隅野さんは「みんなに元気と笑顔を届けたい」と話す。(坂田弘幸)

 隅野さんはダウン症で生まれつき心臓が悪く、弱視なども抱える。書道を始めたのは高校3年のとき。留学先のオーストラリアで日本人書道家と出会ったのがきっかけだった。短大では日本画や造形を専攻。日常生活で感じたことを素朴な言葉と絵で表現した作品が評判を呼び、これまでに3冊の作品集を出版した。

 平成7年の阪神大震災当時は9歳。兵庫県加古川市の父親の実家で揺れを経験した。神戸市西区の自宅マンションも壁にひびが入った。震災後、自宅の窓から見た仮設住宅が今も脳裏に焼き付き、リビングの棚には今もガラス片が刺さった跡が残る。

 母の滋子さん(67)の話や写真集なども参考に、震災の記憶を書で伝えてきた。震災から丸20年の27年には「みんなから救いの手と善意をもらい がんばろうと元気を出したから今の神戸の町がある」と書にしたためた。

 それだけに23年の東日本大震災は人ごとではなかった。被害の映像を見て胃が痛み、食事がのどを通らなくなった。「みんなを元気にしたい」と被災地を訪れようとしたが、当時は医師から許可をもらえなかった。体調も良くなった昨年3月、7年越しで東北訪問が実現。名取市の仮設住宅で作品展を開いた。

 「あきらめない気もちが必ず輝く明日になる」「命をたくして次につなげる これが命を使うという事なのかな」

 住民たちは書を読みながら声を詰まらせ、涙を流した。津波で家を流された名取市の会社経営、長沼俊幸さん(56)は「私たちに思いを寄せてくれていることが素直に伝わりうれしかった」と話す。

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