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【入試最前線】(3)親子のギャップがもめるタネに…

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 高校や予備校の進路指導担当たちが悩むのが、受験生とその保護者の間で生じる「親子ギャップ」だ。大阪府立高校で進路指導を担当している吉田裕紀教諭は「入試の仕組みも大学のレベルも親世代とは変わっている。現状を知っておいてもらわないと生徒が困る」と話す。

 親子のギャップは、受験大学を決める際に、親子の間でもめごとになってしまう原因にもなる。例えば、近年、力をつけてきた大学について、保護者側がそうした事情が分からず、親子ギャップになってしまうことがあるのだという。

 吉田教諭が指導している生徒のなかでは最近、近年受験者数が伸びている近畿大をめぐって親子ギャップが顕在化したケースがあった。

 生徒は近大を受験したいというが、保護者側は「(関西の難関私大といわれる)関関同立で勝負して」と譲らない。生徒は「なかなか近大の受験を認めてくれない」とこぼしていたという。

 保護者世代は自分が受験したときのイメージで大学を選びがち。吉田教諭は保護者説明会などの場で、イメージより実態を見て判断してほしいと呼び掛けているという。

 吉田教諭は「近大は施設を次々と新しくするなど、学ぶ環境が充実している。例えば、新しくできた図書館には24時間利用できる自習室がある。そんな施設はほかの大学にはなかなかないですよ」などと説明しているという。

昔と今、どう違う

 大手予備校の河合塾が「大学受験の昔と今 親子でこれだけ違う!」と題して、大学入試センター試験がはじまった平成2年と、それから25年後の27年の大学入試事情を比較している。この25年で受験事情は大きく変わった。

 18歳人口は減り続けているが、大学の数は2年では509大学だったのが、規制緩和で27年には775大学に増加。大学進学率は大きく伸びた。

 大学の学部の多様化も進んでいる。かつては、「文」「農」「法」「理」「商」といった漢字一文字の学部が目立っていたが、今は違う。

 例えば、「総合グローバル」「キャリアデザイン」「情報コミュニケーション」「こども」など、カタカナやひらがなの学部が登場している。入試も多様な人材を入学させようと、AO入試や推薦入試など新しい入試方式が導入されている。

 大学の学部や入試制度が変化しているのは、大卒の学生に求められるものが変化しているからだ。

 かつては、決められたことを早く正確にこなせる人材が求められ、大学受験も「知識の量や正確性を測るもの」だったというが、コンピューター社会の進展やAIの登場などもあり、知識や正確性がサポートされる時代となった。

 これからは、目の前の課題を周囲と協力して解決していく力が求められるのではないか。そんな視点から、大学入試では「思考力」や「判断力」「表現力」が問われる中身に変わりつつある。

親子で乗り切る

 保護者にも最新の大学受験事情を知ってもらいたい-。大手予備校、河合塾では保護者向けの講演を、学年ごとに内容を分けてきめ細かく開催しているという。

 長年にわたって、受験指導にかかわってきた河合塾千種校(名古屋市)の高田眞孝校舎長は、「時代に合わせて大学受験は変化している。それを分からず、あれこれ口出しするとトラブルになってしまう」と指摘したうえで「子供たちが、どういう入試に向かっていて、どんな環境でやっているのか、ということを知った上でコミュニケーションをとった方が、スムーズにいくのではないでしょうか」と話した。

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