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【夕焼けエッセー】認知機能検査

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 私は、昨年5月の誕生日で75歳になった。60歳で定年を迎え、現役の第一線から身を引いている。

 その後は、田畑の農作業で晴耕雨読の生活のなか、先月警察から、認知機能検査の受検をするよう案内はがきが届いた。

 以前から、日記をつけているが、漢字がなかなか出てこない。街で出会った知人の名前がすぐには出てこないことがときどきあり、ボケが少し入ってきたのかなと心配していたときなので、このはがきに気が重くなった。

 福井の田舎での暮らしは、自動車運転免許の所持は必須条件。しかし、この検査への予習方法はない。

 2人目の内孫は今4歳。保育園への送迎がある。田畑での農作業で軽トラックを毎日使っている。

 困った。

 しかし、検査の前日、このことをポジティブな考えに変えては、と、閃(ひらめ)いた。

 検査に行けば、初対面の人ばかりなので、そこには、何か学びがあるのではないか。このように切り替えた途端、検査がうれしくなってきた。

 そして当日、検査を終えて、結果通知書を検査官からいただいた。88点であった。

 検査官から、「何も言うことはありません」とのお言葉をいただき、検査官が菩薩に見えて思わず手を合わせた。

 帰りに検査所の玄関で、受講時に隣の席だったご婦人と結果通知書を見せあった。

 この人は、会話からの印象で、心が清純で知的だなと感じていたが、案の定、彼女は94点。優秀な老婦人。これなら、日本、大丈夫。

 奥山賢三(75) 福井県越前市

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