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【夕焼けエッセー】40年目の受験生

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 昭和42年に府立高校の定時制を卒業した私は、昭和57年に不動産業を立ち上げた。

 4人の子供は皆、大学へ進学、気付けば58歳になっていた。ある日、産経新聞の「大学社会人入試」の記事が目に留まりました。受験科目は、英語、小論文、面接とありました。妻に相談すると、「お父さんの進学の夢がかなうかもしれないから受験したら」と賛成してくれました。

 早速、大阪市立大学経済学部に出願しました。受験の日、英語の問題を見た途端、勉強不足を思い知らされたが、何とか解答を書き、小論文は不動産業界の展望について書きました。

 面接のとき、女性の試験官が、「古家さんは英語がねえ」と少し笑顔で言われました。

 私は必死で「浪人生活40年で勉強不足ですが、今年落ちても、来年必ず受験しに来ます」と言いました。「高校の定時制在学中は4年間、職場も学校も無遅刻無欠席で通し、体力には自信があります。次男は現在、本校の経済学部2年に在学しています」と答えました。

 合格発表の日、たぶん不合格だと思って掲示板を見に行きました。恐る恐る受験番号を見ました。「あった。私の受験番号があった」。高校を卒業してからちょうど40年、59歳になり、長い浪人生活でしたが平成19年4月からあこがれの大学の経済学部に通える、体に情熱が沸き上がってきました。

 3回生の次男と1回生の私、夕方通学する私と帰宅する次男がすれ違うとき、「おう」とあいさつ、心は学生になっていた。

古家保男(70) 堺市北区

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