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【井崎脩五郎のおもしろ競馬学】日本経済の行方を占う新春杯

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 「立川君、今週の日経新春杯で、今年の日本経済を占ってみる?」

 これを言うと、競馬風俗研究家の立川末広は毎年、必ず嫌がる。なぜかというと、忘れられない思い出があるからだ。

 あれは、日経新春杯がまだ、日本経済新春杯という名称で行われていた1973(昭和48)年のことである。

 シングンという馬が、日本経済新春杯に出走してきた。まるっきりの人気薄。前3走で6、8、13着と凡走を重ねていたからだ。

 ところが、このシングンを立川末広は本命にした。追い切りで、併せた馬を1秒4もちぎったこと。加えて、レース前日にも長目を追い、ラスト1ハロン11秒4をマークするなど元気なこと。ハンデ戦で、斤量が前走より2キロも軽くなること。さらに、予想される道悪を得意にしていること。これが、立川末広がシングンを本命にした理由だった。

 そしてシングンは、6番人気という低評価をはね返して、2着に粘ってしまうのである。

 立川末広は、レース翌日に出た競馬週刊誌に「今年の日本経済は、進軍ラッパが鳴り響くであろう」と書いた。

 さらに勢いづいて、この年7月の日本経済賞をトーヨーアサヒという名前の馬が勝つと、またまた競馬週刊誌に「東洋朝日という名前が物語る通り、日本経済は輝かしい日の出を迎える」と書いたのである。

 歴史的な大事件が起きたのは、この年の10月16日だった。

 石油輸出国機構(OPEC)の加盟国が、原油価格を21.22%も値上げすることを決定。その翌日には、アラブ石油輸出国機構(OAPEC)が、月5%の生産制限を決定。日本経済は大混乱に陥る。いわゆる石油ショックである。ネオン消灯。マイカー自粛。休日のガソリンスタンド閉鎖。街は活気を失った…。

 はたして今年は、どんな名前の馬が勝つのか。グローリーヴェイズ(=栄光の壺)が勝って、壺から好景気が飛び出してきたらいいね。(競馬コラムニスト)

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