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米ぬか美肌、3D編み 奈良県産靴下をブランド化

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米ぬか配合の靴下「歩くぬか袋」を手にする靴下ソムリエの鈴木みどりさん=奈良県三宅町の鈴木靴下
米ぬか配合の靴下「歩くぬか袋」を手にする靴下ソムリエの鈴木みどりさん=奈良県三宅町の鈴木靴下

 締め付けない、冷えを取る、運動効率が上がる-。足のさまざまな悩みを解決する機能性靴下が人気だ。ただ、その一大生産地が奈良県であることはあまり知られていない。これまでは大手メーカーの靴下製造を陰で支える黒子に徹していたが、「消費者に直接届けたい」と職人の技術を結集した「奈良産靴下」のブランド化に打って出た。(田中佐和)

 「靴下のゴム部分が痛いとか、締め付けでかゆくなる人は多い。でも、この『ソフトフィットソックス』はゴムが入っていないのに、ずれないんです」。奈良県靴下工業協同組合(同県大和高田市)の砂山七郎事務局長(73)が特長をアピールする。

 吉谷靴下(同県三宅町)のソフトフィットソックスは、奈良産靴下の中でもトップクラスの売れ筋商品。ゴムをなくす代わりに、最適な着圧を実現する糸と編み方で、快適な履き心地を生み出した。生産コストを重視する海外製品にはまねできない繊細な技術と頑固なこだわりだ。

 ■市場縮小の危機

 古くから「大和木綿」の産地だった奈良盆地では、農家の副業として明治43(1910)年に靴下製造が始まり、地場産業として発展した。だが、国内メーカーが生産拠点を次々に海外に移したことで、平成2年をピークに国産靴下は減少。現在は中国などからの輸入が8割を占める。

 国産の6割のシェアを占める奈良県だが、その生産は大手メーカーの製品受注に依存してきた。縮小する国内市場を前に、同組合は「生き残るには、奈良の技術を消費者に直接アピールする商品が必要だ」と従来の生産体制からの転換を決意。平成29年春、同組合の独自ブランド「The Pair(ザ・ペア)」を立ち上げた。

 県内の靴下製造会社が自慢の製品を持ち寄ってつくるブランドで、「3D設計で足にフィット」「吉野葛和紙の繊維で蒸れ解消」など、各社オリジナルの高機能靴下が並ぶ。すべて1足千円以上だが、リピーターが多く好評という。

 ■ソムリエが提案

 ただ、靴下は試着ができないため、店頭に陳列するだけでは差別化が難しい。そこで同組合が29年に創設したのが「靴下ソムリエ」制度。靴下の素材や製造工程などについての専門知識を持ち、消費者に助言ができる靴下アドバイザーだ。同年の第1回資格認定試験には全国から474人の応募があり、292人が合格。昨年も165人が合格した。

 靴下ソムリエの鈴木みどりさん(30)は、同県三宅町の鈴木靴下の後継者。「(社長である)父の役に立ちたい」とソムリエの資格を取得し、同組合が出展する百貨店の催事などで、奈良産靴下をPRしている。

 鈴木さんが提案する同社のおすすめの1足は、保湿効果に優れた米ぬか成分を練り込んだ糸で編んだ大ヒット商品「歩くぬか袋」。肌のケアに効果的で、ザ・ペアでも「米ぬかで美肌」シリーズとして販売している。

 糸の開発から取り組んだ父、和夫さん(60)をそばで見てきた鈴木さんは「生産者の思いを伝えながら一人一人に合った靴下を提案し、奈良産靴下のファンを増やしたい」と話している。

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