県産ミカン産出額3年連続日本一、和歌山
ミカン生産量全国1位の県は7日、平成29年の県産ミカンが「産出額」でも3年連続で1位になったと発表した。徹底した厳選出荷で販売単価が上昇し、他の産地を大きく引き離した。また、県内で全国の約6割を収穫するウメも需要拡大に伴い販売単価が高騰し、果実全体の産出額でも県が平成14年以来15年ぶりに全国1位となった。
県果樹園芸課によると「産出額」は、「生産量」と市場手数料などを除いた「販売価格」を掛けて算出する粗利益。29年の和歌山県産ミカンは335億円で、2位は静岡県246億円、3位は愛媛県235億円だった。
販売単価は1キロ当たり304円で全国4位。27年の8位、28年の7位から順調に順位を上げている状況だ。県では27年からJAグループと協力し糖度が一定以上の水準を満たしたミカンを「厳選みかん」として出荷する取り組みを進めており、同課の担当者は「和歌山産ミカンの品質が高いことが徐々に市場で認められてきた」と手応えを見せる。29年の販売単価1位は静岡県で375円だった。
県は今後、高値で取引される年末に収穫時期を迎える品種への改植や糖度が高くなりやすい栽培方法の推進などを進め、「生産量」「産出額」に「販売単価」を加えて「3冠」を目指したいとしている。
一方、ウメに関しては天候不順に伴う生産量の減少に加え、熱中症予防やダイエット効果などが知られ需要が拡大し、販売額は28年の124億円から84億円増加。県の果実全体の出荷額は前年比114億円増の816億円となった。
□全国の県産ミカン産出額
(単位:億円)
■平成29年
1位 和歌山県 335
2位 静岡県 246
3位 愛媛県 235
■平成28年
1位 和歌山県 308
2位 愛媛県 276
3位 静岡県 275
■平成27年
1位 和歌山県 277
2位 静岡県 254
3位 愛媛県 203