PR

産経WEST 産経WEST

【防災その先へ】(2)孤独を防ぐ 集落再生…顔合わせ暮らすために

Messenger
村営住宅「高森のいえ」の軒下で世間話に花を咲かせる入居者ら=7日午後、奈良県十津川村
村営住宅「高森のいえ」の軒下で世間話に花を咲かせる入居者ら=7日午後、奈良県十津川村

 人は一人では生きていけない。災害が起こるたび、社会はこの重い事実を突きつけられてきた。生活の中で長年築いてきたコミュニティーをどう守り、住民のつながりを維持するのか。被災地では試行錯誤しながら、次の時代に向けた新たな方向性を模索している。

 災害で崩壊した過疎の集落を、画期的な取り組みで再生させた事例がある。

 平成29年4月、奈良県十津川村が猿飼(さるかい)地区に集合住宅を整備した。地名から「高森のいえ」と名付けられたこの住宅は、のどかな山間に真新しい木造の平屋が5棟、菜園を囲うように建つ。高齢者を中心に13人が入居、避難所機能を持った集会所も併設している。

 整備のきっかけは、奈良、和歌山、三重の3県で73人が死亡した8年前の紀伊半島豪雨。13人の死者・行方不明者が出た十津川村で進めたのが、点在する小集落を統合・再編し、住民を安全な地域に移す「村内移住」だった。全国的にも珍しい取り組みで、村の担当者は「孤立せず安心して暮らせるコミュニティーを作ることが大事」と話す。

 「ここでは毎日誰かと顔を合わせるから安心」。ともに夫婦で入居する大谷芙佐子(ふさこ)さん(74)と鎌塚美智子さん(71)も、今は孤独と無縁の生活を送っている。

 激しい雨が降り、道路が土砂で寸断される中、ヘリで救助された大谷さん。避難生活後に地元集落へ帰ったが、多くの住民は戻らず、以前の活気は見る影を失った。家族以外の話し相手を失い、「することもなく自宅に引きこもりがちになっていた」と振り返る。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ