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【譲位によせて】(3)ジャーナリスト・田原総一朗さん「陛下は日本文化そのもの」

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皇室についてインタビューに応じるジャーナリストの田原総一朗さん=東京都港区(宮崎瑞穂撮影)
皇室についてインタビューに応じるジャーナリストの田原総一朗さん=東京都港区(宮崎瑞穂撮影)

 平成が幕を開けたとき、僕らは希望に満ちていた。ドイツを分断したベルリンの壁が1989年11月に崩壊。91年12月にはソ連が解体した。長い長い東西冷戦が終焉(しゅうえん)を迎え、平和の時代が訪れると誰しも考えた。

 中曽根康弘元首相が当時、僕に「平成は神が人類に与えた休暇の時間だ」と言った。世界が戦いに明け暮れた昭和が終わり、新たな時代が始まったと期待を抱いた。

 ところが、米国とソ連の管理が緩み、各地で戦乱が勃発した。象徴的だったのは、イラクがクウェートへ侵攻し同1月に始まった湾岸戦争だ。日本では、バブル景気がはじけ、経済の展望が開けなくなった。振り返ると、冷戦終結に伴う民族紛争の激化と日本経済の混乱が印象に残る。

 天皇陛下は、僕の1つ年上で戦争を知る世代のお一人だ。敗戦時、僕は小学5年。日本人の価値観は一八〇度変わった。僕は、海軍兵学校を目指し、一学期まで「天皇のために名誉の戦争をしろ」と教師から教えられたのに、二学期には「戦争は間違いだった」と正反対のことを言われた。偉い人の言葉は信用できないというのが僕の原点だ。

 ただ、昭和天皇は、戦争に反対の立場ながら強く主張できなかった自らの責任を非常に重く受け止めていて、戦争の悲惨さや「象徴とは何か」を陛下に繰り返し伝えておられたのだろう。陛下は旧戦域を必ず訪れ、犠牲になった人々の慰霊を続けられている。

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