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ミュージカル「マリー・アントワネット」で見つけた日本で仏王妃の愛される理由 笹本玲奈とソニン

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タイトルロールのアントワネット役の笹本玲奈(中央)=写真提供:東宝演劇部
タイトルロールのアントワネット役の笹本玲奈(中央)=写真提供:東宝演劇部

 日本では「ベルサイユのばら」でおなじみの美貌の仏王妃、マリー・アントワネット。断頭台の露と消えた悲劇の王妃として、多くの作品で取り上げられてきた。そんな王妃を新たな視点で描くミュージカル「マリー・アントワネット」(演出・ロバート・ヨハンソン)の大阪公演が1月1日~15日、大阪市北区の梅田芸術劇場メインホールで上演される。「子育てにこだわる母親」「人を愛し、人を許した女性」…。ダブルキャストでヒロインを演じる笹本玲奈と、“裏ヒロイン”の庶民の娘、マルグリット役をつとめるソニンが、マリー・アントワネットの魅力を語る。

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 「マリーを演じたい、すそが大きく膨らんだドレスを着て、大きな舞台に立ちたい、というのは子供の頃からの夢でした」と話すのは笹本。幼い頃はアントワネットの豪華な衣装に惹かれた。彼女を描いた多くの作品に触れるうち、無邪気、天真爛漫、わがまま、軽率、浪費家など、その多面性に引き込まれたという。

 舞台は、遠藤周作の「王妃マリー・アントワネット」が原作。「エリザベート」のミヒャエル・クンツェが脚本・歌詞、シルヴェスター・リーヴァイが音楽・編曲を務め、平成18~19年に日本初演。今回はヨハンソンによる「新演出版」となる。

 多くの舞台や小説に扱われるが、描かれ方によって、アントワネットの印象は異なる。

 今回の遠藤の原作は、アントワネットについての史実を忠実に追いつつ、フィクションを織り交ぜた作品と言われている。今回の舞台は、さらに独自の演出を盛り込んだ。

 王妃としてのアントワネットだけでなく、一女性の人間味が強く描かれている。スウェーデン貴族との路ならぬ恋のほか、妻として、母として生き、子育てに取り組む。王妃として生き、立場上背負った運命、処刑されることへの思い…。

 笹本は今作について「日本のお客さまが求めていた作品と強く感じる」という。「ギロチンにかけられ、かわいそうなお姫さまでした、おしまい。ではなく、その先がある。今の時代を、社会をどう考えるかを提示され、決して嫌な気持ちで終わらない」

 笹本は初演で、革命に身を投じる庶民の娘、マルグリットを演じ、菊田一夫演劇賞を史上最年少の21歳で受賞。時を経た今回、ヒロインを演じることで、新たな発見をしたそう。

 「マリーも普通の女性なんだなと。子育てや子供に対しての思い、こだわりが強い方だと感じた」。笹本自身も母となり、「子供を産んで初めて、自分には、こう育てたい、というこだわりがあることを知って、マリーを身近に感じました」。

 アントワネットの生涯は、一人の女性が“真の王妃”となる、成長物語ともいえる。「人を愛し、人を許した最期。それは時代を超え、日本の幅広い世代の方々に伝わる強いメッセージ。彼女が、愛され続ける理由だと思います」

 一方、“裏ヒロイン”である庶民の娘、マルグリットの視点から、アントワネットと作品を見つめるのがソニンだ。マルグリットはアントワネットと対立する役柄で、その対比を強くすることでアントワネットが浮き彫りになるのだという。

 ソニンは「私が意識するのは、あくまでヒロインはマリー。マリーを描くためのマルグリットであることが、今回の私の役の意味だと思っています」と話す。

 「原作を大切にしたい気持ちがある。作者は日本の作家。そこに日本のお客さまが望む、マリー・アントワネットの原点がある気がして」

 今作は、原作よりもドラマチックにマルグリットが描かれているが、「役作りは完全に原作をもとにしました。ひたすらマリーを恨むことしか考えていない人」。マルグリットは今作で唯一の架空の人物であり、観客を物語の世界へと旅させる役柄も担う。

 歴史は、それを語る人の立場や物差しによって異なる。何が“本当の真実”なのかは分からない、と考える。「マリーはどれだけ悪人扱いされても醜聞に踊らされない。私も人の意見に耳を傾けますが、それが“自分の意見”だと思い込まぬよう、意識しています」

(橋本奈実)

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