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【取材の現場から2018】(2)「大阪メトロ」誕生 大阪市営地下鉄が民営化

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御堂筋線なかもず駅で大阪メトロとして初めての始発電車の出発に際して号令をかける社員=1日午前4時55分、堺市北区(安元雄太撮影)
御堂筋線なかもず駅で大阪メトロとして初めての始発電車の出発に際して号令をかける社員=1日午前4時55分、堺市北区(安元雄太撮影)

 今年4月、85年続いた大阪市営地下鉄が幕を閉じ、新たな会社「大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)」に運営が引き継がれた。

 「きょうが第二の創業。大阪の発展にこれからも寄与したい」。4月1日早朝。大阪メトロ御堂筋線なかもず駅の式典で抱負を述べた河井英明社長は、真新しい「M」のロゴを付けた始発電車を感慨深げな表情で送り出した。

 昭和8年に日本初の公営地下鉄として開業し、市民らに親しまれてきた市営地下鉄。人口減で運賃収入が減少する将来を見据え、経営のあり方を変えようと民営化に舵(かじ)を切った。民営化されれば、鉄道以外の本格的な事業展開が可能となる。駅ナカ・駅チカ事業の充実や、不動産事業など鉄道以外の収入の「柱」を確保するのが狙いだ。

 ただ、その道のりは紆余(うよ)曲折をたどった。平成23年に橋下徹前市長が公約に掲げ、議論が本格化したが、市議会で合意が得られず膠着(こうちゃく)状態に。後継の吉村洋文市長が株式を当面、市が100%保有するなど市議会野党が求める条件の大半を受け入れ、昨年3月、ようやく決着をみた。

 民営化され、再出発した大阪メトロはさっそく保有している土地やマンションなどの資産活用をスタート。7月には7カ年の中期経営計画を公表し、売上高全体に占める鉄道以外の割合を現在の17%から27%へ高めるなど「鉄道依存型」からの脱却を掲げ、経営を進めている。

 公から民へ変わるにあたり、何より重要なのは公務員から転身した社員たちの意識改革と士気だ。パナソニック元専務の河井氏をはじめ、民間から起用した人材がリードする新たな組織風土づくりがカギとなるだろう。

 さらに、2025年国際博覧会(万博)や府市が誘致を目指す統合型リゾート施設(IR)への対応も課題だ。万博会場の夢洲(ゆめしま、同市此花区)へのアクセスをめぐっては、中央線を延伸し、島内に新駅を整備する計画が進み、メトロも一部の費用を負担する予定。IR誘致が実現した場合、新駅周辺で数百億円を投じ商業施設を開設する計画も立てられている。

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