PR

産経WEST 産経WEST

大阪府泉佐野市の92歳女性創作人形作家が自宅に美術館を開館へ

Messenger
人形美術館「夢の館」の開設を進める創作和紙人形作家の山中セツ子さん。92歳の今も創作活動や後進育成に情熱を燃やす=大阪府泉佐野市(谷田智恒撮影)
人形美術館「夢の館」の開設を進める創作和紙人形作家の山中セツ子さん。92歳の今も創作活動や後進育成に情熱を燃やす=大阪府泉佐野市(谷田智恒撮影)

 大阪府泉佐野市の創作和紙人形作家、山中セツ子さん(92)が、自宅に作家人生の集大成となる人形美術館「夢の館」を開設する。世界的な創作人形の祭典でも金賞を2度受賞した山中さんは「多くの人とつながりをつくってくれた人形に感謝したい」と卒寿を超えた今も元気に創作に励む。(谷田智恒、写真も)

 「長年の夢が実現してうれしい」。自宅2階に作品を集めた小さな美術館を見渡し、そう笑顔を見せた。美術館には自作の人形約60点を展示し、近所の人たちや人形好きの人たちに見てもらおうと15日から無料で公開する。

 大正15年に生まれ、専業主婦として暮らしてきた山中さんが創作和紙人形と出合ったのは50代後半、百貨店の催事場で展示会を見たのがきっかけだった。

 和紙と技術だけで美しい人形をつくれることに感動、すぐに展示会を主催していた教室へ入門した。「不器用だが、負けず嫌いで、努力だけは人一倍する」と話すようにめきめきと腕前は上達。昭和57年に創作和紙人形の師範免状を、62年には西洋のアンティークドール創作師範免状も取得した。

 山中さんの和紙人形の特徴は顔。通常の和紙人形は、伝統的に「想像する良さ」を重んじ、顔が描かれていない小さな頭部があるだけだが、「顔のない人形に満足できなかった」と和紙人形の頭部を、紙粘土と和紙で表情ある作品にするオリジナルの和紙人形を創作し、60年の英国、翌年の豪州と、2年連続で世界人形会議で金賞を受賞、その後も世界各地の展覧会にも出品している。

 平成に入ってからは後進の育成に力を入れようと泉佐野、岸和田両市で教室「創作和紙人形 泉グループ」を主宰している。「和紙人形のおかげで外国にも行け、多くの人たちともつながりができた。心から感謝している」。実績が評価され、今年11月には泉佐野市初となる「人間市宝」に選ばれた。

 今は凝っているのは額に収まる人形づくり。4センチ以内の厚みの中で「人形の立体感をいかに表現するのかが楽しい」と研究を重ねる。「完璧な作品はできない。まだまだ精進を続けねば」と元気に話した。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ