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子供に寄り添う学校医 漫画「放課後カルテ」に反響

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『放課後カルテ』第1話より。自身が睡眠障害「ナルコレプシー」だと知らず、孤独感を抱える=(c)日生マユ/講談社
『放課後カルテ』第1話より。自身が睡眠障害「ナルコレプシー」だと知らず、孤独感を抱える=(c)日生マユ/講談社

 小学校を舞台に学校医が子供たちの小さな異変から病気を見抜いていく漫画『放課後カルテ』が、今年春の完結後も反響を呼び続けている。女性漫画誌「BE・LOVE」(講談社)連載で、病気や自傷行為などさまざまな問題を、背景にある子供の不安定な心理とともに描き、幅広い世代から支持を集めた。著者の日生(ひなせ)マユさんは「ほんの少しでも、苦しんでいる人の手助けになれば」と語る。(藤井沙織)

 物語は、無愛想な小児科医・牧野が小学校に赴任するところから始まる。「保健室に学校医がいる医療漫画」という編集部の要望に対し、日生さんは「ただ病気を発見する漫画ではなく、子供の内面を重視した話にしたい」と、丁寧な心理描写にこだわった。

 第1話で登場するのは、授業中や給食中など状況を問わずに寝てしまい、「サボり」「仮病」と批判され孤立する女児。「私なんてもうどこにもいない方がいい」と思い詰めていたが、脳内物質の欠乏による睡眠障害「ナルコレプシー」と分かり、前向きに治療に取り組んでいく。

 放課後カルテには、女児のように病気と知らず「みんなと同じようにできない自分」を責める子供や、ストレスで心身症や自傷行為に至る子供が登場する。彼らに共通するのは、「居場所がない」「さみしい」「認められたい」という苦しみや欲求で、「誰もが経験することだと思う」と日生さん。牧野はそんな根底にある思いにも、ぶっきらぼうながら寄り添う。

 執筆にあたって、日生さんは医療関係の本を読みあさり、医師や当事者らへの取材を重ねた。リアルな描写は初回から編集部の予想を超える反響を呼び、単行本と電子版の発行・売り上げ部数は9月末時点で計100万に迫る勢い。日生さんのもとには同じ悩みや病気を抱える読者から「共感した」「この病気を漫画にしてくれてうれしい」といった手紙が寄せられた。

 「私自身、学校生活がつらくて死にたいと思うこともありました」と日生さん。自身の経験も踏まえ、放課後カルテに祈りを込める。「未来が見えず苦しむ人が希望に向き合い、また、周りの人の悩みを想像する、ほんのちょっとしたきっかけになればうれしい」

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