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【クレパス画名作展(上)】混色で重厚に 山本鼎「西瓜」

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山本鼎《西瓜》制作年不明 サクラアートミュージアム蔵
山本鼎《西瓜》制作年不明 サクラアートミュージアム蔵

 特別展「クレパス画名作展」(産経新聞社など主催)が奈良県明日香村の県立万葉文化館( http://www.manyo.jp/ )で12月16日まで開かれている。主な作家と作品を紹介する。

     

 山本鼎(かなえ)(1882-1946年)という画家・版画家は、手本に子供たちに自由に絵を描かせる自由画教育の提唱者として知られている。その一方で、山本はクレパスの開発にも大きな影響を与えている。

 もともと山本は桜クレィヨン商会(現サクラクレパス)の製造するクレヨンの品質の指導と宣伝に関わっていたが、当時のクレヨンの「色味が下品」であり「色が混ざらない」クレヨンに不満を抱いていたようであり、それを伝えたことがクレパスの開発につながっていくのである。

 その山本がクレパスによって描いた絵画に《西瓜(すいか)》という作品がある。皿の上に置かれたスイカを描いただけの作品だが、スイカの皮や果肉の微妙な色の変化がクレパスの混色による重厚な色彩をもって見事に表現されている。山本は「自然から学ぶ」ことを重視しており、本作品からも丹念な対象の観察に基づく写実的表現が見て取れる。クレヨンと違い混色も重色も可能というクレパスの特質は、まさに山本の要求にかなうものであったといえる。

 (奈良県立万葉文化館主任学芸員 安永幸史)

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