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【プロの仕事】視覚障害者に寄り添う「視能訓練士」

歩行訓練の指導を行う本谷美咲さん=12日午後、京都市北区(永田直也撮影)
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 「横断歩道では、自分と同じ方向に進む車の発進音を聞いてから渡るようにと伝えています」

 視覚障害者支援施設「京都ライトハウス 鳥居寮」(京都市北区)で働く視能訓練士の本谷(ほんたに)美咲さん(27)は、目の不自由な人へのアドバイスを話す。「歩行訓練士」の資格も取得し、施設で白杖(はくじょう)を使った安全な歩行を利用者に指導している。

 視覚障害者の中には、白杖に抵抗を感じて使わない人や、訓練を受けていない人が非常に多いという。「本人が危ない行動をしていることに気づいていないケースが多くあります」と説明する。

 視能訓練士として働きはじめて4年目になるが、最初のころは教えることに必死になるあまり、利用者とトラブルになったこともあった。「よかれと思ってかけた言葉で逆に傷つけてしまうこともありました。相手の気持ちをくみ取ることができませんでした」と振り返る。そんな反省もあって、現在では視覚障害者の立場に立った行動や会話を心がけているという。

 「手に職を持ちたい」と考えて、短大卒業後に3年制の「大阪医療福祉専門学校」(大阪市淀川区)の視能訓練士学科に入学した。1年生の夏に「視覚障害者ガイドヘルパー養成研修」を受講。視覚障害者の誘導体験や暮らしについて学んだことがきっかけで、「この人たちの支えになりたい」と思うようになった。

 就職した鳥居寮は入所、通所、訪問によるリハビリ訓練を行う施設で、主に生まれつきではない視覚障害者らを受け入れている。外出を伴う歩行訓練のほかに、点字の読み書きやパソコンの操作、調理などの訓練も受けられる。

 その一方で、専門学校で学んだ技術を生かして「ロービジョン(低視力の視覚障害)」についての相談業務にも取り組んでいる。

 「メガネをかけても見えにくい」「新聞が読めない」「光がまぶしい」などのさまざまな悩みに対して、医療機関の視力や視野などのデータをもとに、拡大鏡や音声機器、拡大読書器などの補助具の選び方、使い方などをアドバイスしている。

 「視力の低下が進んでも倍率の高い拡大鏡を使うと見える人もいますし、本を朗読したCDを聴くといった別の方法を探ることもできます。見ることをあきらめかけている人も多く、便利な道具や代わりの手段が見つかってパッと表情が明るくなるのを見ると、こちらもうれしくなります」

 また、視力や視野に関するデータを活用すれば、メガネのレンズを替えるだけで問題が解決することもあり、施設でも利用者のニーズが高まっている。

 視能訓練士の就職先は病院がほとんどだが、「もっと多くの人に情報提供ができるように、これからは施設で働く人も増えてほしい」と話していた。(北村博子)

 視能訓練士になるには 高校卒業後、全国に約30ある専門学校などの視能訓練士養成施設で3年以上かけて技術を習得。また大学、短大のほか看護師や保育士の養成機関で指定科目を履修後、養成施設で1年以上学ぶ方法もある。その後、国家試験に合格すれば資格を得られる。

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