PR

産経WEST 産経WEST

地域の“保健室”で健康相談 高齢者の介護予防も

「よどまち保健室」で開かれた健康教室。参加者が保健師のアドバイスに聞き入った=大阪市東淀川区
Messenger

 看護師や保健師などの専門家に、健康に関する悩みを気軽に相談できる“地域の保健室”の取り組みが広がっている。「病院に行くほどじゃないんだけど」と気後れする高齢者をすくい上げ、受診につなげることで、深刻な病気や体調不良になる事態を予防できる-と期待がかかる。(木ノ下めぐみ)

 「握力が弱いね。全身の筋力が弱りつつある兆候だから、もう少し体を動かすようにしましょう」

 10月4日、大阪府守口市のイオンモール大日で開かれた「まちの保健室」。看護師や保健師、助産師が握力のほか、血圧や体脂肪などを器具で計測、無料で健康指導や子育て相談を行った。月に1度、午前11時から午後2時までと限られた時間だが、60人ほどが利用し、「商業施設なので、何かのついでに立ち寄りやすい」などと好評だ。

 「まちの保健室」は「学校の保健室のように、地域住民にも身近な相談の場があれば」と日本看護協会(東京)が平成12年から本格的に始めた。大阪府でも府看護協会が14年度からスタート。現在は府内7カ所=図=で実施しており、府看護協会地域包括ケア事業部の岸本ゆき江部長(64)は「開かれた保健室として府民に利用してもらい、介護予防に努めてほしい」と呼びかける。

 ■イベント入り口に

 地域社会に溶け込む地域密着型の「保健室」もある。淀川キリスト教病院のグループ会社「よどきり医療と介護のまちづくり株式会社」が28年にオープンした「よどまち保健室」(大阪市東淀川区)。看護師や保健師が常駐して健康相談に応じるほか、血管年齢や脳年齢、骨密度などの測定もできる。

 保健師の健康講座をはじめ、さまざまなイベントがほぼ毎日開催されているところがポイント。地域看護専門看護師でもある同社取締役の三輪恭子さん(50)は「いきなり健康相談に来るのは気が引けるという人もいる。イベントを入り口に、地域の方に親しんでもらいたい」と話す。

 貸しスペースとして市民団体がイベントなどを開くこともでき、集会所のような親しみやすさ。健康講座に参加していた近くの村松照代さん(79)は「ここでできた友達も多く、地域と繋がっている実感がある」とほほえむ。「この地域は独居高齢者も多く、孤立させないことが病気予防にもつながる」と三輪さんが言うように、利用者の高齢男性の異変にスタッフが気づき、受診を促して脳梗塞が見つかったケースもあったという。

 同社は、12月にもう1カ所の保健室を区内に増やす予定だという。

 ■全国50カ所に拡大

 こうした地域ごとの取り組みが全国に広がったきっかけは、東京都新宿区で23年から始まった「暮らしの保健室」だ。責任者の秋山正子さん(68)は「安心して集える居場所でありつつ、相談も随時できる。ここを起点にワンストップでしかるべき所へつなぐ役割を果たしている」と意義を説明する。

 地域の“保健室”は、今や全国約50カ所に広がった。「医療にかかる前の段階で私たちが関わることができれば、より長く元気に過ごすことができるはず」(秋山さん)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ