PR

産経WEST 産経WEST

【関西の力】食(3)規格外ミカン、獣害ジビエ肉…美食“自然と共生”は地元愛

Messenger

 平成29(2017)年7月下旬、和歌山県かつらぎ町の農林大学校。ぎらぎらと太陽が照りつける農園で、調理師養成校「エコール辻大阪 辻製菓マスターカレッジ」の生徒約70人が、汗を拭きながら柿の木を見上げていた。

世界で活躍する辻調の卒業生
世界で活躍する辻調の卒業生

「まず地元の良さを」

 農林大学校の教員が、柿作りについて丁寧に説明する。無数のつぼみを手作業で間引く摘蕾(てきらい)、1万個の渋柿に一つずつ袋をかぶせて渋を抜く脱渋(だつじゅう)。おいしい柿を作るための気が遠くなるような作業を説明され、学生からは思わず「大変…」とため息が漏れた。

 生産者との交流を目的とした課外授業。生産者、生産地を知る本物の料理人、パティシエを育てたいという学校側の思いがある。

 この日の授業には、そんな産地の思いをよく知るパティシエが駆けつけた。辻調グループの卒業生で、和歌山市内で菓子店「ル・パティシエミキ」を開く三鬼恵寿さん(57)。三鬼さんは、ミカンやイチジクなど和歌山特産の果物を使ったスイーツの開発を続けている。

 きっかけは、県内の農園で、せっかく育てた味の良い果物を規格外という理由だけで売ることができない、という生産者の悩みを聞いたことだった。大切に育てられた果物をスイーツにして全国に届けたい。そんな思いから、規格外ミカンを使ったフィナンシェなどに挑戦している。

 三鬼さんは後輩たちに、「地元に帰ってお店をやりたいなら、まず地元の良さを知って」と熱っぽく語りかけた。

持続可能な食文化 

 全国から学生が集まる辻調グループ。卒業後、国内外で修業を積み、大阪や東京、さらにはフランスやスペインなど海外で名を上げるシェフも多い。

 一方で、都会で腕を磨いた後、地元に戻り、地域の人々に愛される店を開く例も少なくない。だからこそ、地方の食材を生かし、さらに地域貢献ができるような「本物の人材」の輩出を使命としている。

続きを読む

関連ニュース

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ