PR

産経WEST 産経WEST

ひび、倒壊…荒廃の旧陸軍墓地 大阪市長、国に改修要望へ

台風で被害を受けた墓碑の修繕や清掃活動を行うボランティアら=10月、大阪市天王寺区の旧真田山陸軍墓地(地主明世撮影)
Messenger

 全国最大規模の旧真田山陸軍墓地(大阪市天王寺区)の荒廃が深刻化している。先の大戦から70年以上がたち墓碑はひびが入るなどした上、今年9月の台風21号の強風で多数の墓碑が倒れ、追い打ちをかけた。背景には墓地の所有者の国と管理を任された市との間で、役割分担のあいまいさがある。大阪市の吉村洋文市長は「国がしっかりと改修に取り組むべきだ」として、11月にも国に要望書を提出する方針だ。(地主明世、写真も)

 ■追いつかぬ修復

 「倒れた墓碑をみて、胸が痛んだ。少しでも力になりたい」。奈良県生駒市から来た女性(67)はこう話し、汗をぬぐった。

 10月中旬。旧真田山陸軍墓地には、墓地の清掃活動に取り組む「真田山陸軍墓地維持会」のメンバーや各地からのボランティアら約500人が集まり、台風で倒れた墓碑約50基を起こしたり、草むしりをしたりした。同会副理事長の花畑暢夫さん(64)は「墓碑が倒れることは遺族の方々にとっては精神的なダメージ。できるだけ起こしてあげたい」と話す。

 同墓地には明治初期から先の大戦までに亡くなった陸軍軍人らが埋葬されている。墓碑数は約5100基、納骨堂には8200柱以上の遺骨が納められており、全国最大規模だ。

 墓碑は耐久性の低い砂岩製が大半で、約7割にひびなどの傷みがみられ、千基を超える墓碑が崩壊の恐れがあるという。中には表面が剥離し、名前が消えているものも。納骨堂も古くなり、耐震性もない状況だ。

 同会が寄付金を使って修復しているが、花畑さんは「会だけの活動では限界がある」と話す。

 ■役割あいまい

 同墓地は現在、国が所有し、大阪市に無償貸与して維持管理を委ねている。

 市側は「風化対策や抜本的な大規模改修などは所有者である国がやるべきだ」という立場。一方、国は旧軍墓地の管理について、平成26年2月の衆院予算委員会で「まずは管理を行っている地方自治体が適切な管理ができるように促していきたい」(厚生労働省大臣官房審議官)との考えを示しており、老朽化対策などの責任の所在や役割分担は、はっきりしていない。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ