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関西経営者列伝 つぼ市製茶本舗 谷本順一社長 第二章 試行錯誤の技能継承

戦火で焼け残った「茶」の看板の前で茶を点てる谷本順一社長=9月3日、堺市堺区九間町(薩摩嘉克撮影)
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 《創業嘉永3(1850)年の茶葉加工・卸の老舗に生まれ、関西大学を昭和56年に卒業すると自然に家業に職を定めた。最初に手がけたのは、工場での茶葉加工・管理だった》

 4代目社長だった父から最初に命じられたのは、工場での茶葉の加工・管理でした。農家が作った茶葉はそのままでは製品になりません。茶葉の部位や大きさを分けて焙煎し、その上で味わいの異なる複数の産地の茶葉を、適切な割合でブレンドする「合組(ごうぐみ)」という作業が必要です。これにはとにかく、苦労しました。

 稲や大豆などの一年草と違い、茶葉は毎年、同じ木から収穫しますが、その年の気温や降水量、日照時間などさまざまな要因が味に大きく影響します。同じ産地、同じ生産者だからといって、毎年同じ味の茶葉ができるとは限りません。風味の違う茶葉を、一定の味わいに保つのが合組です。

 当然、毎年のブレンドの割合などの記録は残っていますが、実際にはあまり参考になりません。香りや味、色など毎年の茶葉の特徴をよく見極めて、混合する割合を決めなければなりません。どうブレンドすれば、いつもと同じ「うちの店の味」になるかは、感覚的な判断となるので自分で覚えるしかないのです。父がやっているのを横から見たり、社員の意見を聞いたりして、試行錯誤しながら少しずつ覚えました。

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