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台風21号が大阪の味直撃 お好み焼きの松波キャベツも

強風で地面になぎ倒された水ナスの木=9月11日、大阪府泉佐野市(府農と緑の総合事務所提供)
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 大阪・泉州地域の農業が、9月の台風21号で大きな被害を受けている。全国的に知られる水ナスが強風で傷つき出荷できなくなったほか、お好み焼の材料として人気の高いキャベツも植え付けたばかりの苗が被害を受けた。ビニールハウスの倒壊で、冬の鍋料理に欠かせないシュンギクの種まきもままならない状況で、影響の広がりが懸念されている。(中井美樹)

 水分が多く甘みがあり、ぬか漬けなどの加工品も人気が高い水ナス。ハウス栽培分の出荷は概ね終わっていたが、屋外で栽培する「露地物」が強風で枝ごと折れたり、実が傷つき変色するなど大きな被害が出た。水ナスを通販で全国販売する各店舗のホームページには「ハウスのほとんどが壊滅状態」「最高級の水茄子の生産が皆無」など悲痛な言葉が並ぶ。

 都道府県別で大阪府が全国2位(平成28年)の出荷量を誇るシュンギクは、栽培のためのビニールハウスが倒壊したことで、種まきすらできていない。資材や施工業者の不足からハウスの復旧も進まず、需要の高い冬場に向けての準備が間に合わない状況という。

 大阪を代表する味、お好み焼きへの影響も懸念されている。味の良さから地元大阪のお好み焼き店が愛用している品種「松波キャベツ」に大きな被害が出たからだ。12~2月に出荷の最盛期を迎える松波キャベツは、台風が直撃した9月上旬は苗を地面に植えたばかりの重要な時期だった。

 大阪府貝塚市の農家、櫛本孝伸さん(27)は、1万株の苗を植えていたが、3割程度の苗が強風で葉が引きちぎられて茎だけになり、残っていた苗も痛んだところから腐りはじめて最終的には約9割がだめになった。苗が全滅した農家もあるという。JA大阪泉州によると、例年2千トン程度の出荷があるが「今年は半分いけばいいほうだと思う」(担当者)。

 甘みが強い松波キャベツの味にほれ込んで仕入れているお好み焼き店は多く、店主の間では懸念が広がっている。大阪・ミナミに本店を構える「福太郎」の経営者、中西保夫さんは「味が格別なので、やっぱり冬場は松波を使いたい。仕入れ価格は高くなるのは覚悟している」と話す。冬場は、松波キャベツを指定して仕入れていた大阪市中央区の「おかる」店長の安達和剛さん(42)は、「別の産地のキャベツも考えないといけなくなるかもしれない」と心配そうに話していた。

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