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奈良出土の三角縁神獣鏡は中国製か 蛍光X線で分析

黒塚古墳から出土した三角縁神獣鏡(17号鏡)=橿考研付属博物館(昨年10月撮影)
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 奈良県天理市の黒塚古墳(3世紀後半)から出土した33面の三角縁神獣鏡について、京都市の泉屋博古館(せんおくはっこかん)が大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県佐用町)で蛍光(けいこう)X線分析したところ、鏡に含まれる銀などの微量元素の割合が、古代中国鏡とほぼ一致することが分かった。橿原考古学研究所が今月刊行した調査報告書「黒塚古墳の研究」で紹介されている。

 三角縁神獣鏡は、古代中国の魏が邪馬台国の女王卑弥呼(ひみこ)に贈った「銅鏡百枚」とする説がある。ただ、中国国内では確認されておらず、中国製か国産かをめぐって長く議論が続いている。今回の調査結果により、黒塚古墳の三角縁神獣鏡が中国で製作された可能性が高まったといえ、論争に一石を投じる成果となりそうだ。

 33面の三角縁神獣鏡は平成9~10年にかけて実施された発掘調査で、竪穴式石室(長さ8・2メートル、幅1・2メートル)から出土。一つの古墳からの出土数としては全国最多で、文様や銘文から全て中国から輸入された舶載鏡(はくさいきょう)と考えられている。

 泉屋博古館はその後、スプリング8の強力な放射光を使い、蛍光X線分析を実施。鏡に含まれる錫、銀、アンチモンの3元素の組成数値を調べ、グラフ化したところ、古代中国の前漢後期~三国時代(紀元前1世紀~3世紀)の鏡の組成数値の分布エリアに収まることが判明。黒塚古墳の三角縁神獣鏡と前漢後期~三国時代の中国鏡が、同じ原材料で作られている可能性が高まった。一方で、同古墳から出土した画文帯(がもんたい)神獣鏡1面も、同じ分布エリア内に収まっている。

 泉屋博古館は過去にも、久津川車塚古墳(京都府城陽市)出土の三角縁神獣鏡などをスプリング8で蛍光X線分析し、同様の結果を得ている。

 中国青銅器を専門とする同館の広川守副館長は「黒塚古墳の鏡は材料的には中国鏡と考えられる。どこで作られたのかは分からないが、中国で製作された可能性もある」としている。

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