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【午後のつぶやき 大崎善生】史上最年少名人 谷川さん

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 昭和57年秋に私は日本将棋連盟に潜り込んだのだが、その頃は彗星(すいせい)の如く現れた史上2人目の中学生棋士、谷川浩司さんが頭角を現し、順位戦を勝ち進んでいく真っ最中だった。

 58年には、中原誠十六世名人とのプレーオフを制してあっさりと名人挑戦権を獲得、今や「ひふみん」と化した加藤一二三名人と戦うことになった。それを4勝2敗で制し、21歳という史上最年少名人が誕生する。その様子はニュースで全国に流され、一夜にして谷川浩司の名は将棋界を突き抜けて全国に響き渡った。思えばあの頃の谷川フィーバーもすごかった。

 当時あった編集部に配属された私は、谷川さんの対局があるときはいつも楽しみにしていた。特に午前中は一手を指すと3階に下りてきて事務所をウロウロする。そのうち私の席にも立ち寄ってくれるようになった。

 秘策があった。机の上にまるで検討中のように、作りかけの詰め将棋を置いておくのである。すると詰め将棋マニアとしても知られる谷川さんは必ず食いついてくる。作りかけの私の詰め将棋をああでもない、こうでもないと検討して対局室へ舞い戻っていく。

 そして次に下りてきたときには「こうしたらどうですか」。何日かけてもうまくいかなかった詰め将棋を対局中に頭の中で完成させてくれた。そんな感じで森の中のリスを手なずけるような感じで少しずつ距離を詰めることに成功した。詰め将棋がどんぐりだ。

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