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【浪速風】秋晴れの東京五輪開会式を思い出す(10月10日)

東京五輪開会式で坂井義則さんが聖火を点灯した =1964年10月、東京・国立競技場
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 「世界中の秋晴れを全部東京に持ってきてしまったような」。北出清五郎アナウンサーの名調子が記憶に残る。昭和39(1964)年10月10日、東京五輪の開会式は雲一つなく晴れわたった。気象庁に依頼して、統計的に晴れる確率が高い日を選んだそうだが、「特異日」というほどではない。

 ▼実は15日の方が晴れは多かったが、平日で、土曜日だった10日に決まったという。ともあれ「十月は、やさしくて、甘い。山の湖のやうに空が碧(あお)く澄んで薔薇(ばら)の花に思ひ出の匂ひがある」(堀口大学「十月の言葉」から)。再来年の東京五輪・パラリンピックもこの季節がいいと思うが、もう日程は変わるまい。

 ▼今年は相次いだ台風で秋を感じる余裕がなかった。会社の窓から外を見ると、21号の暴風で枝が折れ、枯れかけていた街路樹のケヤキが新しい葉をつけている。紅葉が近いというのに、そこだけ新緑が鮮やかだ。たくましい自然の営みを教えてくれて、秋が深まる。

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