PR

産経WEST 産経WEST

【関西の力】教育・源流(2)阪大の研究拠点 若者の野心に応えられる「場所」とは

Messenger

 「学生には、国ではなく研究環境の充実した場所を選びなさい、と指導しています」。トルコ出身のマラリア免疫学のホープ、チョバン・ジェヴァイア教授はにっこりと笑った。大阪大学免疫学フロンティア研究センター(IFReC(アイフレック))=大阪府吹田市。平成19(2007)年に設立された世界トップレベルの研究拠点で、マラリアのような病原微生物が宿るヒトの体で働く免疫の仕組みを解き明かそうとしている。近年、国内の研究人材の海外への流出が危惧されるなか、IFReCには海外からも人材が集まっている。

ノーベル賞級の実績があるFReCの研究者
ノーベル賞級の実績があるFReCの研究者

洪庵の「直系」

 IFReCは拠点長の審良静男(あきらしずお)教授(自然免疫学)をはじめ、ノーベル賞級とされる業績を持つ一流の教授陣を擁する。適塾を精神的源流とする大阪大の大学院や研究所で腕を磨いた学者も少なくない。充実した環境にひかれ、世界中から集まった研究員約200人が日夜しのぎを削る。このうち、20~30代の若手は約30人。

 「感染症を扱うIFReCの研究は、幕末の大阪で天然痘の予防に尽力した緒方洪庵の直系。日本中の若者が集い、洪庵先生の下で寸暇を惜しんで勉強した適塾の雰囲気も、こんな感じだったのでは…」。糖鎖免疫学が専門で適塾記念会の幹事を長年務めた木下タロウ教授が推測した。

 適塾には、諸藩の俊英が集い、西欧で発達した近代科学の粋(すい)に触れようと、オランダ語で書かれた医学書などを読みふけった。一冊しかなかった蘭和辞典「ヅーフ辞書」が置いてあった部屋には、塾生が頻繁に出入りし、夜通し灯が消えることがなかったという。

 そこには、異なる環境で育った者同士が出会い、塾生という対等の立場で互いに刺激を受けながら勉強する環境があった。

続きを読む

関連ニュース

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ