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【関西の力】教育・源流(1)名利顧みず-緒方洪庵の気概 大阪が誇る学びの場「適塾」

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緒方洪庵
緒方洪庵

優れた人間教育

 島田教授は「人間教育でも洪庵は素晴らしかった」と話す。貧富や身分の区別なく門下生を受け入れ、私財をなげうって天然痘の予防接種の普及に尽くした。

 「名利を顧みず、唯おのれをすてて人を救はんことを希(ねが)ふべし」「不治の病者も棄(す)てて省(かえり)みざるは人道に反す」

 これらの戒(いまし)めは、ベルリン大のフーフェランド教授による医師の心得を洪庵が訳した「扶氏医戒之略(ふしいかいのりゃく)」の一部で、写しは今も、阪大医学部付属病院や医学研究科長室などに掲げられている。

「インオペ(手術不可能)なしの一外」…難病でも頼ってきた患者を断らない

 3月まで大学院医学研究科長を務めた澤芳樹教授は「医師として、研究者として、教育者として壁にぶつかる度に、前を歩いている洪庵先生の姿を感じる」と話す。主宰する心臓血管外科の前身、第一外科に「インオペ(手術不可能)なしの一外(いちげ)」という言葉があるという。「難病でも、頼ってきた患者を断らない」という気概を指す。「似ているでしょう。『不治の病者も棄てて省みざるは人道に反す』という一節に」

 洪庵と同様、心臓血管外科も先端医療を手がけている。ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作製した「心筋シート」を心臓病の患者に移植し、心臓の機能を回復させる再生医療などがその例だ。多くの患者を救うためのキーワードは「チーム医療」と「技術の伝承」だ。

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