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酒蔵が作る“個性派”クラフトビール

ホワイトエールのでき映えを確認する山本典正さん(奥)と高木加奈子さん=和歌山県海南市の「平和酒造」
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 各地の日本酒メーカーが作った「クラフトビール」が注目を集めている。大手の老舗から新鋭まで顔ぶれはさまざまで、近年のクラフトビール人気もあって売り上げは好調。日本酒とビールは相いれない関係にもみえるが、日本酒の売り上げが減る夏にビールを売ることで収益の安定を図れるほか、日本酒の醸造技術を用いた新たなビールを造れるなどのメリットがあるようだ。(藤井沙織)

 「平和酒造」(和歌山県海南市)でタンクから注がれるのは、ユズピールやコリアンダーを効かせた淡い黄金色のホワイトエール。醸造長の高木加奈子さん(29)は香りと味を確認し、「うん、いいでき」と小さくうなずいた。

 日本国内のクラフトビールの始まりは平成6年の酒税法改正。醸造免許取得に必要な製造量が2千キロリットルから60キロリットルになり、小規模な醸造所が全国に誕生した。当時は「地ビール」と呼ばれたが、近年は副原料にこだわるなど「手作り」の意味合いを強調。日本地ビール協会によると、今年3月末時点で310の醸造所がある。

 平和酒造は2年前に「平和クラフト」を立ち上げ、ビールの出荷を始めた。日本酒造りは秋に始まり春には作業を終える。そこで代表取締役専務の山本典正さん(40)は「社員を通年で雇用するためには、夏が繁忙期のビール造りと日本酒造りは相性がいいのでは」と考えた。

 ■ライバルは…

 だが立ち上げの際は「怖さもあった」と山本さん。当時は新しく造った日本酒「紀土(きっど)」が軌道に乗った頃で、酒蔵がビールを造ることを否定的に捉えられるかもしれない。だが「おいしいものを作れば納得してもらえる」と研究を重ねた。

 その結果、現在出荷する4種類のビールはいずれも好評で、今夏の出荷量は昨年の約2倍に増えた。ただし「うちの根幹はあくまでも日本酒」と山本さん。「日本酒のライバルは他のお酒ではなく、お酒を飲まないこと。親しみやすいビールから日本酒の間口を広げたい」と考える。

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