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奈良時代の木心乾漆像と判明 愛媛の毘沙門天像 

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 愛媛県大洲市の如法(にょほう)寺が所蔵する毘沙門天(びしゃもんてん)立像が、奈良時代に流行した木心乾漆(もくしんかんしつ)と呼ばれる技法で造られていたことが奈良国立博物館(奈良市)の調査で分かり、同館が1日発表した。同館は「科学的調査で技法の詳細が判明した木心乾漆像は稀有で、彫刻史を研究する上で貴重」としている。

 毘沙門天立像は像高約28センチ。甲冑(かっちゅう)を身にまとい、左手で宝塔をささげ、振り上げた右手には戟(げき)(武器)を持つ姿。足では邪鬼を踏みつけ、裳裾(もすそ)を垂らしていないところに個性があるという。

 像はこれまで調査されたことがなく、昨年秋に寄託された同館が科学的調査を実施した。この結果、3本の心木(しんぎ)や金属心を使い、漆に木くずなどを混ぜた乾漆を盛りつけて造形した技法が判明。仏像の類例などから、8世紀半ばの作とみられるという。

 大洲市に残る江戸時代の記録によると、大洲藩士が奈良の僧侶から譲り受け、如法寺に納めたと記されている。当初から独尊だったか、四天王像のうちの多聞天像だったかは不明。奈良時代の乾漆像が新たに見つかるのは珍しく、文化財的価値が高いという。

 奈良時代の木心乾漆像としては、聖林寺の十一面観音立像や唐招提寺の千手観音立像(いずれも国宝)などがある。奈良国立博物館の岩田茂樹上席研究員は「造形がおもしろく、精彩に富んでいる。これだけ構造と技法が分かった木心乾漆像は他にないだろう」と話している。毘沙門天立像は同館なら仏像館で12月下旬まで展示予定。

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