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【関西の力】列車の技術(2)「切れぬつり革」作りまひょ 「地元の製品不採用は商都・大阪の恥」注文殺到

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 通勤・通学電車に欠かせないつり革で最大手の三上化工材(大阪市西淀川区)。創業者の故・三上豊三郎さんには、商機を逃さないフットワークがあった。昭和26年、三上さんは当時勤めていた紡績加工会社で開発に携わった合成樹脂の床仕上げ材を、阪神電気鉄道に売り込んだ。そこで「切れないつり革」が欲しいと聞かされた。

つり革メーカー「三上化工材」の三上省吾社長=大阪市西淀川区(安元雄太撮影)
つり革メーカー「三上化工材」の三上省吾社長=大阪市西淀川区(安元雄太撮影)

劣化するつり革で乗客負傷

 当時のつり革は天然皮革で、劣化などでちぎれ、各地で乗客がけがをする事故が増えていたからだ。阪神電鉄は、増え続ける乗客を抱えながら阪急電鉄とスピードを競っていた。

 三上さんは、床仕上げ材の素材を応用し特殊織布と組み合わせたつり革を開発。阪神電鉄は29年秋、梅田-三宮間を25分で結び「世界最高水準の高速電車」とうたう新型車に採用した。

「何だこれは」驚きの声

 車内には新素材の白いつり革がずらりと並んだ。全国の鉄道関係者が集まった試乗会では「何だこれは」と驚きの声が上がったという。自信を深めた三上さんは特許を取得、翌30年には三上化工材を設立した。

 「切れない」つり革は全国に広がった。今では鮮やかなピンクや黄色、握りやすい五角形などさまざまな色や形で車内を彩る。

 孫で2代目社長の三上省吾さん(31)は「祖父は、ニッチ(隙間)市場でもいい、人ができないことをやろう、という発明家だった」と語る。自身も「独自の商品を海外に広めたい」と、昨年から欧州市場の開拓に乗り出した。関西発の技術は、独自の路線で海を渡ろうとしている。

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