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【西論】富田林脱走 容疑者逃走1カ月半、留置業務と危機管理を検証せよ

 最近では「映画で見たような話」と、驚きをもって語られることさえある。大阪府警富田林署から逃走した樋田(ひだ)淳也容疑者(30)のことだ。連続女性暴行や強盗傷害といった重大な嫌疑をかけられ、勾留中だったが、弁護士との接見後に面会室のアクリル板を蹴破り、逃走。現在にいたるまで見つかっていない。

 映画は刑務所からの脱獄を描いた「ショーシャンクの空に」(1994年)。計画性や執念に、似た部分がないとはいえない。「事件と名画を一緒にするな」とお叱りを受けるかもしれないが、この映画に言及する人は多い。

 前代未聞の逃走劇に大阪府警幹部らは、当初、大失態ではあるが、すぐに捕まえられる、と思っていたようだ。しかし、この希望は、はかなく消える。後になって、樋田容疑者が留置担当者の勤務シフトまで調べ上げていたことが分かったとき、少なくない捜査関係者が青ざめたことだろう。

 府警の擁する職員は約2万3千人。民間企業でいえば日産自動車にも匹敵する巨大組織の屋台骨はたった1人の容疑者にいいように揺さぶられている。

 ◆遅れた安全情報周知

 発生当初は広報のあり方に非難が集中した。富田林署が樋田容疑者の逃走に気づいたのは8月12日午後9時43分。最初のマスコミ発表は翌13日午前0時55分だった。実に3時間以上もかかっている。住民への周知はさらにずれ込んだ。府警が運用している防犯メール「安(あん)まちメール」で事件について知らせたのは、認知から9時間近くたった同6時28分だった。

 樋田容疑者は20代女性のマンション敷地内に侵入し、暴行した強制性交の罪で起訴されている。

 夏場はベランダや窓を開け放して寝る人が多く、侵入のリスクが比較的高い。この時期の性犯罪に注意を呼びかけていたのは他ならぬ府警だ。仮に深夜にメールを送っても、どれだけの実効性があったのかという指摘はある。しかしメール配信がないより、あった方がいいのは事実。配信するための手間などたかがしれている。

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